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現役・子育てママからのメッセージ ”指導者養成講座を終えて”

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「指導者養成講座」我が子の指導にどう役立つの?どんぐり文章題って、本当に効果あるの?などなど。
多くの親御さんが抱えているお悩みや不安に少しでも参考になればと、このたびどんぐり教育研究会では、指導者養成講座を終了され「どんぐり教室」開設を予定のママさんに、アンケートをさせて頂きました。

すこし長い記事ですが、最後までじっくりとお読みいただけたらと思います。

回答者のプロフィール りえさん
夫、長女(小3)次女(年長)長男(2歳)の5人暮らし。長女が5歳5か月のときに、どんぐり文章題の取り組みをスタート。2020年指導者養成講座を終了。(マスター認定)2020年6月より小学校の算数の学習指導補助として学校現場で奮闘中。
子育てが一段落したら、どんぐり倶楽部の準拠教室開設を予定している。中部地方在住。小学校教員として3年間の経験がある。

質問1 りえさんの第一子(はじめての)子育てについて、お聞かせください。

長女が生後4か月のとき自宅でできる早期教育の教材をフルセットで購入し、1歳で産休から復帰した後も、短い時間の合間を縫って必死で早期教育に取り組んでいました。しかし、3歳児健診のときに簡単なパズルを前に固まる娘を見て、がっかりしてしまったのです。その上、吃音(お、お、お母さんなど)の症状が出はじめてしまいました。療育相談にも出かけましたが、「ゆったりとした生活を心がけて」とアドバイスされました。

これは「早期教育が一つの原因ではないか」と思われたので、毎朝フラッシュカードなどをやっていたのを減らしていきました。もっと楽しく取り組める教材はないかと、Z会を始めたのが4歳後半の頃でした。それと同時期に、「子育ち理論」と出逢いました。

質問2 「子育ち理論」との出逢いが、りえさんの子育てを大きく変えたのですね。どのような理論なのでしょうか。

静岡のおもちゃ屋さんの遠藤英一さんが、「子の自ら育つ力」に着目して独自の育児論をまとめたものです。20年以上かけてお母さん方の実践をまとめられ、各地で講義が行われています。子育ちで大事にしていることは、「親は子を育てるのではなく」「子が自ら育つことに関心を持つ」ということです。

講義を1年間かけて受講し、子との向き合い方をイチから考えさせられました。これまでいかにありのままの子を受け止めようとしてこなかったか、理想をおしつける育児をしてきたか、を思い知ったのです。その「子育ち理論」の先輩で、同い年の子をもつ方が、「どんぐり倶楽部を始めます」とブログで書かれていたことから、少し前からその存在は知っていた「どんぐり倶楽部」と改めて再会しました。

質問3 「子育ち理論」については後で詳しくお伺いしたいと思います。どんぐり倶楽部と再会し、リセットや環境設定はどのようになさいましたか?

まず、Z会を退会しました。そして私自身が1ヶ月どんぐり倶楽部について調べる期間を経て、娘に「お話を絵に描いていく、クイズみたいな勉強をお母さんと一緒にやってみたいの」というような話をして、スタートしました。Z会のほかに習い事等もありませんでしたし、日課の安定は子育ちによって確立していましたので、週課として土日休みに取り組むのは、すぐに馴染んでいきました。

編集部:日課、週課とは何かについては、このアンケートの後半に登場しますので、ここでは省略させていただきます。

質問4 「子育ち理論」や「どんぐり倶楽部」を知ったことで、何が一番変わりましたか?

私は教員の父と、教員になりたかった保育士の母から「きちんとしなさい」と言われて育った長女です。「できる」ことだけを追いかけているうちに、算数に苦手意識をもってしまいました。そんな思いを子にさせたくない、という一心で、早期教育にハマりました。しかし、長女の吃音という拒否反応から模索する中で「子育ち理論」と「どんぐり」に行きつきました。それはまるで、「子育てにおける地図と羅針盤をもらったような」思いでした。

どちらも、「子は自ら育つ力がある」と定義しています。これは本当に大きな衝撃でした。また「どんぐり」という本物の思考力養成ができる教材を得られたことにより、とても安心感が得られました。私自身が「思考力とは何か」を真剣に考えることによって、商業主義にまみれた広告に踊らされなくなりました。

質問5 現在のお子様(長女)のどんぐりの取り組みについて、教えてください。

小3の長女は、土日の午前中に遊んで昼食後に当たり前にやる習慣として定着しています。

ダイニングのテーブルで取り組んでいます。月に1~2回は公園などにお弁当を持って出かけることもあります。夕方に帰宅するようならば、その日はどんぐりの取り組みはなしです。(帰省などで家にいない時も同様です)

長女は年長問題から取り組みましたが(100問)当初は8~9割は「分からん帳」でした。しかし、1年生の夏休みには「なんでこんなの分かんなかったのだろう」と不思議がるようになりました。分からん帳の3分の1程度は、1~2年生の春・夏休みに取り組みました。

1年生問題(93問)は「分からん帳」のままの問題が17問。
2年生問題(55問)は、「分からん帳」のままの問題が20問。
休校期間があったので、3年生問題は現時点(2020年9月)で(40問)。「分からん帳行きは18問」と、例年より多く進んでいる印象です。

質問6 スタートした当時に比べ、小3になられたお子様(長女)には、どんな変化がありましたか?

私が長男を昼寝に寝かしつけにいっている間に、妹と一緒に二人で始めていたりします。年長の時は「分からなーい」と言って、横で取り組む私がイライラしてしまうことも多々ありました。今は「当たり前にやるものだ」という習慣ができています。20分程度でサクッと終わる日もたまにありますが、1時間くらい粘るときもあります。

8月に3MX17(サンタさんの問題)を正解したときも「まずね。1人2200円遣えることが分かって。お菓子が2個と、その1個の3倍の値段の玩具だから、お菓子1個が500円ずつ分けてみたら多すぎて、450円ずつ分けたらまだ多くて。400円にしたら少なすぎたから、440円にしたらぴったりだったの。お菓子2個で880円でしょ、あとお菓子1個の3倍だからもう一回440円足して1320円。そしたら、2200円ちょうどになったんだよ」と話してくれました。

編集部:このように学年にしては難しい大きな数が登場しても、オリジナルの思考法で取り組む力がついていくのがどんぐり文章題です。

また、わり算も習っていませんが、袋菓子をみて「内容量63gだって。うちの家族5人で分けたら1人何g食べられるだろう」と聞いてみると、「習っていないからできない」ではなく、「63gか。10gずつだと50g。残りは13g。あとは2gずつ分けられて3g余るね。これはパパにあげよう」と、絵を動かすように考える様子がありました。

質問7 これまでの経験から、どんぐり問題の取り組みが難しいと感じるご家庭に、アドバイスしていただけることはありますか?

お子さんが「答えが出ない」などと泣いたりしたときに、無理せずに「終わりにしまーす」と引き下がることも大事だと思います。親が意固地になってやらせようとするほど、パニックになると思います。ただ、「日課」として定着するように決めた日には、親はひとりでも取り組むこと。親のほうも思考力を鍛えなおすつもりで取り組む、その真剣な姿に子が感化されるくらいの覚悟が必要かもしれません。

長女にはもう「説明」の通じる時期ですから、「考える力を鍛えるために、どうしても必要だなって思えるの。だからママも700問全部取り組んだよ。本当に力がつくと思うから、やってみよう!」と励ましています。

質問8 どんぐり問題に取り組む上で、親として一番重要なことは何だと思われますか?

「子どもには必ず考える力がある」と信じる力が試されますね。「この子は本当に大丈夫だろうか」と心配の波動を出すと、子からエネルギーを奪ってしまう気がします。実際に私は、長女が年長問題で苦戦しているときに冷たい視線を送ってしまい、「今日は終わりにする」と言えなくさせたり、自分の感情がコントロールできず苦しみました。

軌道に乗るまで、親もかなりのエネルギーを割く必要があると思います。ロケットも発射して、軌道にのるまでに燃料の9割を使うそうです。かなり覚悟を決めて取り組む必要があると思います。

質問9 りえさんが指導者養成講座を受講された動機は何ですか?受講されることで、どのような変化がありましたか?

子どもの隣でどんぐり問題に取り組んでいく中で、自分の作品も添削していただきたくなったこと、また子どもの思考力が養成されていく過程を見ながら、将来的に教室を持ちたいと考えるようになったことからです。700問を解いてみると、学年を通して繰り返し出てくる問題は、思考力養成の指標になる問題だと分かりました。それまでは漠然と子に好きな問題を選ばせていましたが、「この中から選ぼう」と、意識してほしいポイントを含んだ指示ができるようになりました。また、養成講座のDVD講義では糸山先生の穏やかな声を拝聴し、どこまでも子育てや教育に対して真摯な方だということが伺えました。

今、学校現場で5年生の算数の授業に学習指導補助として入っていますが、そこで思ったのは今の学校のシステムの中では「教え込みになってしまう」ということです。「教わったやり方通りに」「速く」できることに評価がつけられます。どんぐりの「じっくり、ゆっくり、丁寧に」とはまるで逆の世界です。我が子がある程度まで成長したら、どんぐり教室を開設しようと思います。「子育ち理論」の普及もしていけたら、と思っています。

質問10 今回のアンケートの中で、りえさんから教えて頂いた「子育ち理論」は、子どもに対する見方にどんぐりと共通する部分が多く、特に就学前のお子さんをどう育てるか、具体的な方法が説明されているので興味を持ちました。「子育ち理論」のエッセンスを、りえさんの実践例をふまえて教えていただけますでしょうか。

「子育ち」では、生活を4場面に区別することが大事になります。

命の場面:身体に危害が及びそうな場面では強制的に危険から回避するようにします。

生活の場面:自分の身じたくや、炊事、洗濯、掃除など生活を維持するために働く場面では、子に細かく指示を出し、将来的に子が一人でもできるように工夫します。

遊びの場面:子の自由なので、母親はまねで返します。

学習の場面:6歳以降に出てきます。

子育ちで大事にしている柱は、(1)子の日課の安定(2)指示とまね(3)リビングに子ども空間を(4)子のありのままを受け止める です。

質問11 子の日課の安定とは、規則正しい生活や刺激の少ない環境などのことでしょうか?

日課で大事なことは、毎日同じ時間に同じことをするということ。例えば、朝起きて、ハグしてもらって、顔を洗って、着替えて、ご飯を食べて、歯を磨いて、身支度する・・・・・と、決まった順番で体が動いていく、そうしたリズムを大事にしています。このリズムが身に付くまでは、母親は隣について「顔を洗います」「着替えを出しましょう」と一つ一つ指示をします。

日々繰り返されるリズムが日課であり、一週間のスパンで繰り返されるのが週課、1ヶ月のスパンで繰り返されるのが月課、1年のスパンで繰り返されるのが年課です。

自然界には決まったリズムがあって安定するように、人も多少心が揺れたりするときも、決まったリズムに従って体を動かしているうちに、心の安定を取り戻したりすることができます。子は同じ絵本を繰り返し読みたがるように、「繰り返されるリズム」に安心安定を感じるものだと思います。

質問12 指示とまね、の指示とは、例えば「こぼしちゃだめよ」ではなく、「両手でコップをもって、ゆっくり運んでね」のように、穏やかに丁寧に話をすることでしょうか。

指示とは「命令」のことではなく、「言葉」で具体的に指し示す、ということです。子育ちでは「指示は身体で伝える(横について動作で教えること)」を大事にしています。

1歳を過ぎて歩き始めるようになったら、指示だしの始まりです。子は母親のあとをついてまわりますから、家事も「一緒にやる」という意識で行います。

キッチンに立ったら、「レタスをちぎってください。〇〇ちゃんのお口の大きさにちぎりましょう」と指示を出します。キッチンに立てるようにふみ台を準備したり、子にあったエプロンを準備してあげるなど、環境設定をします。2歳の息子はキッチンが大好きです。

編集部:子に指示を出し、子がそれを実行したら、ありがとう、助かったよとしっかり労うのも大事にされています。

お風呂を洗うときは、スポンジを子ども用に用意します。(大体5歳の次女にお風呂掃除の指示を出しますが、5回に一回ぐらいしかやりません)ちなみに、「指示だし」を「やるかやらないか」決断と行動は子自身にゆだねられます。断ることをニガテとするお子さんって、多いですよね。子育ちでは、「断る」スキルを母親の指示だしによって鍛えるのです。

そのために指示だしは「愛情があるからこそできる」と遠藤さんはおっしゃいます。生活場面に子どもを入れこむことは、効率重視だと絶対にできないことです。

質問13 遊びの場面は子の自由なので、母親はまねで返すとは、具体的にはどういうことでしょうか?

遊びの時間とは、子育ち的にいうと大体は地域に出ていく時間を指します。外に出れば、安全にだけは注意して母親は子のすぐ後ろをついていきます。公園にむけてまっしぐらに歩いていく子もいれば、道中の草花や虫に夢中になる子もいます。我が家はもっぱら「草花遊び」がメインでした。

ここでは母親の役割は、まねで返すのみです。草花で作ったご飯をどうぞ、と言われたら「頂きます。あー、おいしい」と返します。雨の日もカッパを着て出掛けます。雨の日ならではの発見があります。

質問14 リビングに子ども空間をとは、小さいうちは子供部屋はいらないということでしょうか?

その通りです。あくまでも空間(おもちゃ空間・机上空間)なのです。家族の中で暮らしているということを感じながらも保障されるその子のための空間・そしてその空間で遊んでいる我がの子の様子を、母親が何かをしながらでも見ている、というのが大切なのです。

編集部:おもちゃ空間、机上空間の作り方については、子育ち理論を実践された方たちがブログで情報を発信されていますので、そちらをご参考になさってみてください。

質問15 子のありのままを受け止める、とは具体的にどのようなことでしょうか。

子育ちでは6歳までで大事なことは母親は、ありのままを丸ごと受け止めてくれる存在なのだと、子が感じられることです。例えば長女が年長さんだったときに、幼稚園でお友達とトラブルがあった場面で「お友達を叩いちゃったんだ」と言ったことがあります。

ここで、「暴力はダメじゃない!何でそんなことしたの!」と問いただすようなことを言ってしまうと、子どもは口を閉ざしてしまいます。

しかしゆったりと「お友達叩いちゃったんだ・・・・」とまねで返すこと(子と同じ言葉を繰り返すこと)によって、「だって〇〇ちゃんがね、私が一生懸命書いたお手紙なのに、読めなーいとか言うんだもん」「あなたが一生懸命書いたお手紙、読めなーいって言われちゃったんだ」

「うん、だから悔しくて叩いちゃった」
「悔しくて叩いちゃったんだ」

「痛かったかな」
「痛かったかな…」

「叩かなければよかった。そんなこと言われると悲しくて悔しい!って言えばよかった」
「叩かないで、悲しくて悔しい気持ちを言えればよかったよね」

「うん、明日謝るわ」

これはカウンセリングで使われる「オウム返し」の手法と同じです。まねで返されることによって、子は客観的に見つめ直していくことができるのだと思います。

編集部:何でも母親に話していいという親子の信頼関係も構築されていくと思います。

母親自身もまねで返しながら、いろいろ言いたくなる場面もありますが、「子を信じる」とは、「子を信じる母親である自分を信じていく」ことにつながり、子によって自分も育てられていくように感じています。

質問16 3人のお子様の子育てを通した、貴重なご体験を多方面からシェアしていただきありがとうございます。最後に、子育て中の親御さんたちにメッセージをお願いできますでしょうか。

以前の私は子どもを自分の価値を証明する表現手段のように見ていたのかもしれません。だから、文字が書けるとか、数字が分かるとか、そういう見栄えにこだわった知育をしていました。「この子は賢い子だ」と言われると、まるで自分が賢い母親であるかのような気持ちになっていたのです。そこに子がどうしたいかとか、何を求めているとか、そういうことは全く考えていなかったように思います。

自分が結構人前で話すことや、目立つことが好きな方でしたから、長女が控えめであまり前に出ていかなかったり、大人から話しかけられても、小さな声でモゴモゴしている様子が歯がゆかったりしました。

でも、子育ち理論やどんぐりを知り、「子には自ら育つ力があること」「ありのままの子を受け入れること」を子育ての軸に、生活面での指示だしをしたり、徹底的にまねで返す、をしていると、子は大いなるものからの預かりものであり、世の中に返すことが自分の使命のような気がしてきました。

子には子の主張があることを知り、それを社会に適応させるような振る舞いを、母親である自分のありかたで示していくしかない、そんな自分を獲得できました。

母親の在り方が、家庭全体の雰囲気を作る、といいます。私が相手のペースを尊重することを大事にしているので、3人の子どもたちはそれぞれの場所で、他者に対して優しい、思いやりがある、と驚かれたりします。

他者のペースを大事にするとは、相手の行動をイメージできる、ということだと思います。そして、自分もこんな風に育てられたかったなあという想いと、自分の中の子どもの自分も一緒に育て直されているような感じがあります。

子をありのままに受け止めようとする親御さんは、同時に自分自身もありのままに受け止められるようになるからこそ、自分のエゴで子どもをコントロールしようとしなくなるので、「子育てがラク」「子育てが楽しい」「子どもが好き」になるのではないでしょうか。

自分が満たされなかった想いを、子を通して実現しようとする、そんな呪縛から解放してくれるのが、子育ちやどんぐりだと思います。

編集部:沢山の質問への真摯なご回答、本当にありがとうございます。多くの親御さんの参考になるのではないかと思います。

なお、遠藤さんの「子育ち講座」を受講されたい場合は、静岡県富士市の「もりの書店」で定期的に開催される講座に参加されることをお勧めします。遠方で通うことが難しい場合は、出張7回講座もあります。講座の詳細は、下記までお問い合わせください。(もりの書店 0545-52-8555・携帯電話090-9185-6618 遠藤)

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