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News4 大学生2人に1人が奨学金を借りている現実

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奨学金返済、月2000円から=所得9%に連動―文科省

時事通信  2016年3月24日(木)

卒業後の所得に応じて返済額が変わる「所得連動返還奨学金」について、文部科学省の有識者会議は24日、毎月の返済額は課税所得の9%で、最少2000円からとする最終案をまとめた。

新制度に基づく貸与は2017年度からで、今年4月に募集を開始。同省は夏までに詳しい制度設計を行う。

新制度は文科省の外郭団体「日本学生支援機構」の無利子奨学金を受ける大学、短大、大学院生などが対象。現在は、年収300万円以下の人が最長10年間返済を猶予される以外は原則定額返済で、低所得者ほど負担が重いのが課題だった。

新制度では月額2000円を最低返済額とし、マイナンバーを基に住民税の課税所得の9%を返済額とする。最も利用者の多い貸与額約260万円のケースで、年収300万円だと返済月額は現行の1万4400円から8900円に下がる。

給料が上がらなくなって久しい。日本中で、来るべきお子さんの進学に向けた蓄えが薄くなっている現実がある。
住宅ローンは銀行の審査が厳しいため、身の丈にあった借入はできない。しかし教育資金は違う。教育の機会を国民に均等に与える目的があるため、制度的に借りやすくできている。そして親も子も、できるだけ良い方、良い方を選択する傾向がある。結果として大学生の2人に1人が奨学金に頼らざるを得ない状況となった。

奨学金、リスク知り活用を

毎日新聞 2014年11月20日 東京朝刊

家計の教育費負担が増し、今や大学生の2人に1人は奨学金に頼っている。教育を支える制度の役割は大きいが、住宅ローンに次ぐ「人生第2の借金」という自覚も必要だ。制度の仕組みとリスクを十分知ったうえで賢く利用したい。

●2人に1人が利用

大学生の52・5%は何らかの奨学金を受けている(2012年度)。この数字に驚く親世代は多い。親世代が学生だった1990年ごろは2割程度で「奨学金は少数派」という感覚があるためだ。奨学金利用がここまで増えたのは、この20年で家計収入が減り続ける一方、大学の入学料・授業料が伸び続けたのが主因だ。特に国立大授業料は53万5800円と30年で実に2・13倍になった。日本政策金融公庫の調査では高校入学から大学卒業までの教育費の平均額は私立大理系1156万円▽同文系1035万円▽国公立大863万円。家計で賄いきれなくなった教育費を奨学金が支えている。

 

最も代表的なのは大学生の4割近くが利用する日本学生支援機構の制度だ。奨学金というと返済の必要のない「給付型」のイメージを持つ人もいるが、同機構の奨学金は全て返済義務がある「貸与型」で、無利子型(第1種)と有利子型(第2種)がある。

 

無利子型は一定の学業成績が求められるが、有利子型なら世帯年収条件(4人家族は1117万円以下が目安)を満たせば、ほとんどの学生が利用できる。有利子型の金利は年3%が上限だが、今年10月貸与終了者の場合、固定0・79%、変動(利率見直し方式)0・20%と極めて低い。

 

「機構の奨学金は『低利のローン』といっていいが、独特の制度やリスクを知り、上手に借りることが大切だ」。全国の高校・大学で年約1000回の進学対策講座を開いている奨学金アドバイザーの久米忠史さんはいう。

 

日本政策金融公庫の「国の教育ローン」と比較するとわかりやすい=表。ともに「借金」だが、金利などの条件は奨学金のほうが有利だ。ただし、教育ローンは保護者が必要時に全額を借り翌月から返済するのに対し、奨学金は学生本人が在学中に毎月決まった額の支給を受け、卒業後に返済を始める。「子どもが自分の借金になることを自覚できるかがポイント。子にとっては一生の問題であり、進学前に親子でよく話し合うことが大切だ」と久米さんはいう。

●人生設計に影響も

同機構の奨学金貸与総額は1兆円超と巨大化している。同時に滞納も増え、3カ月以上延滞は18・7万人、延滞額は2639億円(13年度)に上る。必ず知っておかなければならないのは、この滞納時のリスクだ。

 

まず、延滞した額・期間に応じ年率5%の延滞金が上乗せされる。さらに延滞が3カ月を超えると個人信用情報機関に登録され、クレジットカード審査が通らなかったり、住宅ローンなどが組めなくなったりする可能性がある。落とし穴は、延滞を解消しても返済完了から5年は登録が残ることだ。例えば22歳から20年で奨学金を完済しても、途中で滞納があり登録されれば、47歳までローン利用が制限され人生設計に影響する可能性がある。

 

これには「厳しい措置」という批判も多い。ただし、リスクや制度を十分理解していればこうした事態を防ぐことはできる。

 

同機構の調査によると、延滞者は手続きを親に任せた人の割合が最も多い。また、奨学金手続き前に「借金」と知っていたのは54・7%で、延滞のない人の同90・6%と差が大きい。

 

仮に返済が困難になった場合でも、毎月の返済額を2分の1に減額したり、返還の期限を10年まで延長したりできる猶予制度がある。また、12年度には卒業後、年収300万円になるまでは返済期限を猶予できる所得連動返済型の制度も導入された。ただし、制度を利用するにはそれぞれ手続きが必要で、自分で対応する必要がある。

 

久米さんは「高額な進学費用に悩む親子は多い。機構の奨学金は確かに借金だが、将来の自分の価値を高める投資として、それを活用すると考えたい。そのためにも、自己防衛として親子で制度をよく知っておきたい」と話す。【渡辺精一】

 

◇進学前申請で計画立てやすく

 

同機構奨学金を申し込む際のポイントは何か。久米さんにアドバイスしてもらった。

 

申し込みは、進学前に高校を通じて行う「予約採用」と進学後に行う「在学採用」がある。現在は2回目の来春向け予約採用の募集期間にあたる。奨学金を検討しているなら、まず予約採用を申し込むべきだ。時間的な余裕ができるため進学費用計画を立てやすいからだ。資金が工面できれば取り消すこともできる。

 

機構は先月末から初回の予約採用の結果を通知している。無利子型希望で不採用だった場合も、進学後の在学採用時に再度申し込んだほうがいい。実際、在学採用のほうが無利子型の枠は多い。

 

また予約採用されたとしても、入学後に進学届を提出しないと、資格を失ってしまうので注意したい。

 

申込時の貸与月額、金利タイプなどを迷う人は多いが、後で変更可能なので柔軟に考えたい。金利タイプは、最終年度の一定時期まで変更できる。貸与月額は有利子型の場合、月5万円の利用が最多だ。機構は額は必要最小限にするよう指導しているが、資金不足になってしまったら貸与を受けている意味がない。1年目にやや余裕を持った額を借り、2年目に適正額に見直すほうが合理的だろう。

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