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News10 L型大学とG型大学、一流以外は職業訓練校に ── 日本の教育と産業構造の行方は?

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日本を代表する著名な経営コンサルタントである冨山和彦氏の”L型大学とG型大学”についての提言は教育界のみならず産業界にも大きな波紋となって広がりつつあります。昨年の記事ですが、THE PAGE で取り上げられていますので採録しました。

2014.11.07 THE PAGE

文部科学省の有識者会議で提案されたL型大学とG型大学というキーワードをめぐってちょっとした騒動になっています。提案内容が、旧帝国大学と早慶といったいわゆる一流大学以外の大学は、アカデミックな教育をやめ、職業訓練に専念すべきという刺激的なものだったからです。

L大学とG大学とは?

この提案を示したのは、経営共創基盤CEOの冨山和彦氏です。冨山氏は著名な経営コンサルタントで、産業再生機構のCOOを務めた人物としても知られています。冨山氏によれば、日本はグローバルに戦うごく一部の人材と、地域密着型の仕事に従事する多数の人材に二極分化しているとのことです。圧倒的に多数を占める、地域密着型の労働者の生産性を上げなければ、日本経済全体の底上げは難しいとして、一部の大学を除き、カリキュラムを職業訓練的なものに切り替えるべきだと主張したのです。いまの大学を、グローバル人材を育てる「G(グローバル)型大学」と、職業訓練校的な教育をほどこす「L(ローカル)型大学」とに分けて、教育しようというわけです。

具体的には、職業訓練大学の経営学部や経済学部では、難しい経済理論を教えるのではなく、会計の基本知識や弥生会計といった会計ソフトの使い方を学ばせることを想定しているようです。

提案のメリットとデメリット

[図]冨山和彦氏が示したL型大学で学ぶべき内容lgata_ggata

当然といえば当然ですが、この提案に対しては賛否両論が出ています。肯定的な立場の人は、現在の大学教育があまりにもビジネスの現場から遠いことなどを引き合いに、就職に結びつきやすいカリキュラムにすることは学生にとってメリットがあると考えているようです。一方、否定的な人は、大学のカリキュラム分離が一種の階層の固定化につながる可能性があることや、実利ばかりが重視され教養が軽視されることなどを懸念しています。

これはあくまで冨山氏の提案で、具体的な議論はこれからなのですが、冨山氏が指摘する日本経済の状況とその対策は、かなり本質を突いたものであると考えられます。

教育は産業構造の変化について行けたか?

ここ20年、日本や米国、ドイツといった先進工業各国は、韓国や中国といった途上国の躍進を前に、自国の産業をどう展開するのか選択を迫られました。

米国はグーグルやアップルといった超先進的な製造業、あるいは知識産業や金融業といった高付加価値サービス業に集中する道を選択し、従来型の製造業の存続はあきらめました。ドイツは製造業中心の産業構造を続けていますが、すべて高付加価値なものにシフトしています。いずれも痛みを伴う産業構造の転換を実施したわけです。

一方、日本は米国型を選択しなかったものの、ドイツ型にもなっていません。工場の海外移転によって製造業の輸出は減りましたが、ドイツよりも内需が厚いため、国内需要だけでも産業をなんとか成り立たせることができます。このため、付加価値の低いサービス業が数多く存在する状態になっています。

この先、日本が産業構造を大きく変えなかった場合、日本の労働者のほとんどは、外食、介護、建設、流通といった従来型サービス業に従事する可能性が高くなります。そうなってくると、この部分の生産性を上げない限り、賃上げは難しいですし、GDPも増えないということになるでしょう。

もしそうだとすれば、多くの大学を何らかの形での職業訓練校にするというのは、意味のあることと考えられます。

(The Capital Tribune Japan)

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