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News1 大学入試・「覚える」から「考える」へ方向転換・2020年から

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2020年をめどに、現在受験生の7割が利用している「センター試験」が廃止されます。現在の小学6年生からこの評価の対象になりますので、保護者にとっても無関心ではいられない大学入試制度の変化となります。

子供たちが育っていく社会は、答えは一つではありません。また、誰かから与えられるものでもありません。たった一つの正解を誰かに教えてもらおうとするのではなく、状況の変化に応じて、ありとあらゆる方法や手段を考え、問題に立ち向かっていくことが求められます。

どんぐり倶楽部では、幼児・児童期に、「公式や正解をを暗記するのではなく」「自分で考えて、自分で工夫する」「問題解決をする」力をつける学習法や、親御さんの関わり方を提唱しております。

また、親や指導者に必要なのは、答えを暗記させることではなく、いかに「子供が自分で考えて、工夫する力を導く」かであると考えています。

大学入試の「覚える」から「考える」への方向転換に関しては、今後もフォローを続けてまいりたいと思います。

今回は、関連する朝日新聞や毎日新聞などの報道記事についてご紹介します。

 

大学入試、知識偏重見直し 志望書・プレゼンも評価  朝日新聞 2014年10月25日

大学入試改革を議論している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は24日、大学入試の選抜方法の改革を促す答申案をまとめた。年内にも答申される。知識量を問う「従来型の学力」を測るテストから、知識を活用し自ら課題を解決できる能力を見る入試に改める。個別試験では、早ければ今の高校2年生が対象となる、2016年度入学の入試から導入される。現行の大学入試センター試験も選抜方法が変わる。

答申案は、センター試験や個別試験のいずれも知識偏重で1点を争うテストから、知識の活用力や思考力、主体性を評価する入試に転換するべきだと指摘している。

個別試験については、筆記試験の点数ではなく、志望理由書や面接、プレゼンテーション能力、集団討論、部活動の実績、資格試験の成績などを組みあわせて選抜するよう提言した。学力を測る場合は、選択式だけでなく、「記述式、論述式」にするとした。

個別試験の改革は「強力に推進する」べきだとされ、各大学には、学生のどのような力をどのように評価するのかを明確にし、求める人物像を示した基本方針を必ず策定することを求めた。国には、改革の取り組みに応じて補助金を出すなどの必要性を指摘した。

 一方、センター試験は、「思考力・判断力・表現力」を評価する「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」に変える。このため、国語と理科など複数教科を合わせた問題や記述問題を導入。各大学には試験結果の活用を勧める。こちらは20年度から「複数回」の実施を検討している。

高校生の就職活動などにも使える新テストは「高校基礎学力テスト(仮称)」とし、19年度から始める。高校2年、3年で複数回受験でき、結果は大学受験の資料としても使用できる。

いずれも、具体的な内容については専門家らが検討を進めるが、英語については、TOEFLなどの民間試験の活用が求められた。(高浜行人)

<大学入試改革> 政府の教育再生実行会議が昨年から議論し、「能力・意欲・適性を多面的、総合的に評価する大学入学者選抜制度」を同年10月に提言した。センター試験は、知識の暗記だけでは解けない「考える力」をみるものに転換することを提案。学力水準の判定とともに、面接や高校時代の活動歴も評価するよう大学に求めた。これを受け、中央教育審議会が改革案を議論していた。(高浜行人)

 

 「覚える」から「考える」へ どう評価、基準作り難題 入試答申案  朝日新聞 2014年 10月25日

中央教育審議会の部会が24日に示した大学入試改革の答申案は、大学入試のあり方を「覚える」から「考える」へと大きな転換を国や大学に迫るものとなった。改革へのロードマップも示されたが、実現には高いハードルもある。新しい入試に臨む児童や生徒への悪影響がないように、限られた時間の中で評価基準をどう定めるのかが課題だ。

答申案は、現行の大学入試のあり方に、厳しい指摘を投げかけた。

「一般入試では、知識を1点刻みのペーパーテストで問う評価から転換し切れていない」「AOや推薦入試の多くが、単なる入学者数確保の手段になっている」

各大学には、多数の受験生に対応しなければならない事情がある。だが答申案では、「効率性を重視するあまり、面接や集団討論、その他による多元的な評価を重視しない傾向がある」と批判された。

1点差で合否を分ける「一発入試」から、生きる力をみる入試へ――。大学入試改革は、安倍晋三首相肝いりの施策の一つだ。

政府の教育再生実行会議は昨年10月、知識偏重の入試から面接などで意欲や能力を測る選抜への転換を提言した。大学入試センター試験に代わるテストでは、思考力などをみる「発展」レベルと、基礎学力を測って推薦入試などで資料にしてもらう「基礎」レベルを設けるとした。こうした枠組みは、今回の答申案にも生かされた。

■小論文・志望理由でも判断

大学入試はどう変わるのか。

大学入試センター試験に代わる「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」では、高校の教科の枠を超えて思考力や判断力、表現力を問う。選択式だけではなく記述式を導入し、成績も1点刻みではなく段階別にするという。英語では「聞く」「書く」「話す」「読む」の4技能を見るために、民間の検定資格試験を活用。大学はこの評価テストの成績と、小論文や志望理由書などの資料を合わせて合否を判断することが求められる。

一方で、高校での基礎的な学習の達成度を測る「高校基礎学力テスト(仮称)」も設ける。国語や数学など高校での必修科目を対象とし、知識や技能の習得を重視した。基礎的な学力を保障するものとして、大学の個別試験や就職試験の判断材料にできる。ただ、大学が入試に利用する場合は、テスト結果は選考する上での参考資料の一部とし、直接の判定材料にはしないようにするという。

答申案の内容が実現すれば、大学入試はテストの内容だけでなく、入試のシステムそのものが変わることになる。

国が各大学に通知していた「大学入学者選抜実施要項」を抜本的に見直し、「一般入試」「推薦入試」「AO入試」の区分は廃止。各大学に対しては、求める人材像などを掲げたアドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)を策定し、それに基づいて「年齢や文化、家庭環境など多様な背景を持つ高校生が積み上げてきた経験や能力」を多面的に評価する入試を行うよう求めた。

■「点数ないと」 高校生、心配も

答申案では、「学力評価テスト」を2020年度から段階的に実施するとした。今の小学6年生が最初の受験生になる年だ。入試システム自体が大きく変わるだけに、国や大学がそれまでに実現しなければならない課題は山積している。

答申案が示したプランでは、国は今年度中に、生徒のどのような力をどう評価するかを明確にした大学のアドミッション・ポリシーの先進的事例をまとめた事例集を作成。16年度中に、学力評価テストでの問題イメージを公表できるよう検討するとした。17年度からは基礎学力テストと学力評価テストのプレテスト(試行)も始まる予定だ。

大学は、面接や論述問題による選抜をどうやって実現するのか。一般入試だけで5万人が受ける私立校もあり、記述のみの試験を採点したり、全員に面接したりするのは事実上不可能だ。統一した採点基準をどうつくるかも課題になる。
学力評価テストの結果を1次試験として、面接に進む人数を絞るなどの運用は可能だ。ただ、成績が段階別で示されるため、高校の調査書や資格といった別の資料も参照しなければならない。

受験生にはどんな影響が出るのか。駿台予備学校の石原賢一・進学情報センター長は「競争試験をやることには変わりはない」と話す。新しいタイプの試験問題に対応できる高校とそうでない高校が生まれ、「これまで以上に学校間の『格差』が生じかねない」と懸念した。

従来型の受験対策をしてきた高校生の間では「点数という客観的な基準がないと、結果に納得できない」と心配する声が上がる。答申案では、ペーパーテストの点数による客観性が「過度に重視されている」として、従来の「公平さ」からの意識改革をうたう。ただ、そのための具体策は示されていない。文部科学省の担当者は「難しいが、答申の考え方を広める必要がある」と話した。(河原田慎一、千葉卓朗)

 

新しい大学入試、困惑 知識より意欲・適性を重視  朝日新聞 2014年8月20日

センター試験に代わる新しい大学入試は、今の小学6年生から対象になりそうだ。大学の個別試験での評価基準も順次変わっていく。だが、何が評価されるのかわからない高校や予備校は受験対策に戸惑う。入試を課す大学は、評価の基準作りに知恵を絞る。

■「学習計画立てられぬ」

「センター(試験)形式の正誤問題です。いつも通り30問やってみましょう」

各地で最高気温が30度を超える真夏日となった8月上旬、東京都内有数の進学校都立西高校(杉並区)では、3年生が夏休み返上で大学受験に向けて補習を受けていた。

選択式の大学入試センター試験や、大学の個別試験で、まず問われるのは基本的な知識。西高校の受験対策も暗記が重要な柱の一つだ。だが今後は、こうした対策だけでは合格できなくなるかもしれない。

 センター試験の後継となる達成度テストの発展レベルは、一部で教科ごとの枠にとらわれない設問を想定している。例えば、ワインについての文章を読みながら(国語)、発酵に関する問い(化学)やローマ帝国の歴史(世界史)について解答する――。

宮本久也校長は「丸暗記の時代は終わったと先生や生徒に言っている」と話す。ただ、「大学が具体的に何を評価するのか、情報公開の姿勢が問われる」とも指摘する。補習を受けていた3年の加藤蒼(あおき)さん(17)も「求められる能力の中身が分からない」と話した。

東京大を目指して東京都内の予備校に通う男性(19)は「○か×か。客観的な基準で判断されるから不合格でも納得できる。新しい入試は公平さが保たれるのか」と心配する。難関国立大を志望する巣鴨高3年の男子生徒(18)は「必要とされる能力が分からないと、学習計画の立てようがなく受験生の負担も増えるのでは」と話した。

こうした受験生の不安に応えようと、大手予備校の河合塾では対策に乗り出している。数学と理科の講師が、教科の枠を超えたテスト問題作りや指導方法を話し合っているという。教育情報部の近藤治部長は「偏差値という1本だった物差しが、様々な物差しに変わる大転換。出題を予想し、受験生や高校に示していくのも予備校の役割だ」と話した。(渡辺洋介、高浜行人)

■評価の基準作り検討も

「受験生に納得してもらえる評価の観点を示し、優秀な人材を確保したい」。愛媛、香川、徳島、高知、鳴門教育の5国立大は共同で「多面的な評価」の基準作りを始めた。インターネットでの出願時に「高校時代に頑張ったこと」を書いてもらい、評価の材料にすることを検討中だ。

「高校生活をトータルに充実させた人が評価される入試」。愛媛大の井上敏憲(としのり)教授は新しい入試を、そう言い換える。高校で受けた授業、英検などの資格取得状況、部活動の取り組み、人間性……。井上教授は「こうしたものが評価項目の案として考えられる。(生徒に)もっと色んなことに時間を使ってほしい」と話す。

5大学で評価項目をまとめた上で、各学部が求める学生像に合わせて評価の比重を変える案も提案する。

九州大(福岡市)法学部はユニークな人材を面接や小論文で見つけようとAO入試を導入したが、2009年にいったんやめた。法学部の五十君(いぎみ)麻里子教授は「入学後のカリキュラムがほかの学生と同じでは、差が出なかった」。

だが、来春から復活させることに。今度は「入学後」にも力を入れ、「少数精鋭のグローバルエリート」を育てるという。定員10人。5年間の一貫教育で、最後の1年間は授業や課題はすべて英語だ。「養成する人物像を明確にせず、手法だけ多面的、総合的評価にしても意味がない」(佐藤恵子、千葉卓朗)

■センター試験後継、21年度にも

大学入試改革は昨年10月、政府の教育再生実行会議が「能力・意欲・適性を多面的、総合的に評価する」と提言。面接での受け答えや高校時代の活動歴などを重視することを大学に求めた。センター試験についても知識の暗記だけでは解けない「考える力」をみるものに転換することも掲げた。これを受け、中央教育審議会が議論を開始。今年6月には答申案をまとめ、大学側が学生の意欲や適性を正しく把握できるような新しい評価手法の開発や専門人材の育成を国に求めた。センター試験改革では、様々な教科の知識を活用して解く「達成度テスト」を早ければ2021年度にも導入することを提案した。

中教審は秋にも答申をまとめたい考え。その後大学側は自校の入試見直しに力を入れるとみられ、16年度以降の入試で徐々に影響が強まる可能性がある。

■半数以上「客観性を」(「ひらく 日本の大学」朝日新聞・河合塾共同調査)

「ひらく 日本の大学」調査では、すでに56%の大学が多面的・総合的な評価による入試を「行っている」と答えた。作文や面接などで選考する「AO入試」を念頭に回答したとみられる。ただ、このうち83%が「改善する必要がある」と答えた。

調査では、多面的・総合的な評価を共通試験として実施することについても聞いた。「実施すべきだ」「実施の方向で検討すべきだ」が56%で、半数以上が評価基準を共通化し、公平性や客観性を担保すべきだと考えていた。

 

大学入試改革:英語にトーフルなど民間試験活用

毎日新聞 2014年10月24日

◇中教審の答申素案、21年度入学者から実施目指す

大学入試改革などを議論している文部科学相の諮問機関「中央教育審議会(中教審)」の答申素案が23日、明らかになった。現行の大学入試センター試験を衣替えした「大学入学希望者学力評価テスト」(仮称)で学力を測り、各大学個別の試験では面接や小論文、集団討論を実施。受験生の能力を多面的に評価する方式への転換を求めた。英語は、「読む」「書く」「話す」「聞く」の四つの能力を測るよう、米国の「TOEFL(トーフル)」など民間が実施する試験の活用を提言。抜本改革を打ち出した。中教審は年内の答申を目指す。【三木陽介、坂口雄亮】

 

学力評価テストは、当面はセンター試験のような教科型に加え、教科の枠組みを超えた「合科目型」「総合型」の問題を導入する。将来的には教科型は廃止する。年複数回実施し、結果は現行の「1点刻み」式から複数のレベルに分けて評価する方式に改める。現行のセンター試験が難関大を目指す受験生には「易し過ぎて差がつかない」との指摘があるため、比較的易しい問題から難解な問題までを網羅し、難度の幅を広げる。回答方式は選択(マークシート)式に記述式を加える。2021年度入学者からの実施を目指し、合科目・総合型問題は16年度中に問題例を公表、17年度中に試行テストを実施する。

各大学の個別試験は、受験生の「主体性・多様性・協働性」を重視して選抜する方式に転換。面接、小論文、集団討論、部活動や課外活動の記録など、高校時代にどのような経験をしたかを重視する「多面的な判定」を提言した。

 

個別試験でも学力テストを実施したい場合は「記述式・論述式」にするよう求めた。

一方、「高校生が共通して身に着けておくべき基礎学力」を定着させるため「高校基礎学力テスト」(仮称)を新設する。科目は国語、数学など主要6教科を想定し、高校2年生から年間2回程度の受験機会を与える。回答方式は選択式。

難易度の低い大学の入試では、学力担保のために基礎学力テストの活用を提案した。19年度実施を予定している。

両テストとも大学入試センターを改組し、作問・実施する。

英語に関しては、従来の「読む」「書く」中心の入試を見直す。学力評価テスト、基礎学力テストともに「話す」「聞く」も加えた4技能を測る民間の外部試験の活用を打ち出した。

文科省は今後、関係団体などで協議会を作り、外部試験活用指針や各試験の得点換算表の作成を進める。

 

 ◇「知識量中心」試験からの脱却、「評価基準」明確化を

中教審答申素案が示す「多面的評価の大学入試」は、知識量を中心に合否を決めてきた試験からの脱却を図る内容だ。複雑・多様化する社会では、自ら課題を見つけて解決する「問題解決型能力」が求められる。探究心、柔軟な思考力・判断力も必要だ。その能力を高校以下で養ってほしいというメッセージでもある。

これは、これまでの入試改革論議でも再三指摘されてきたが、実現しなかった。要因は主に2点ある。

まずは大学の体制だ。多面的評価には面接や小論文、討論が想定される。一部の大学ではすでに導入し効果を上げている。だが人手と手間がかかり「受験生100人相手が限度」(私大教授)。米国には専門スタッフがいる大学も少なくない。実現には体制整備へ向けた国の支援が不可欠だ。

さらに「公平性」の問題が重い。日本では「ペーパー試験一発勝負の『点数主義』こそが公平だ」という考えが根強い。1点未満の差で合否が決まる難関大で面接や討論結果を受験生らが納得できるように緻密に採点できるのか、という指摘もある。

答申素案は国民の意識改革を強調するが、定着している「公平性」の観念を変革するのは容易ではない。大学には「欲しい学生像」など評価基準の一層の明確化と丁寧な説明が求められる。【三木陽介】

 

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