考える力は生きる力 考え抜く頭脳を育てたい

朝日新聞・花まる先生


朝日新聞・夕刊 花まる先生公開授業 2009/8/15掲載
(一部の地域では翌日の朝刊等に掲載されました)

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久が原どんぐりルーム・坂井加代子さん
算数を絵で考え解く

 

sakai_tky200908160115「漢字はどうやって練習してる?」と坂井先生が尋ねる。

「8マスずつ書いてる」

「ノートに何回も書く」

小学1年から3年の3人が答えた。「では」と先生が見せた紙には、「亀」の旧字体。「今日はこの漢字を覚えます」「ええーっ!」

まずは数秒、字をじっと見つめさせる。次に目を閉じて頭の中で書かせてみる。思い出せない部分をもう一度見て……紙を伏せてノートに書かせた。

「書けたー!」

3年生の子が、見事に書いた。

「イメージでとらえることを大切にしているんです」と先生は言う。

ここは「絵で解く算数教室」。全国にある「どんぐり倶楽部」の準拠教室の一つで、年長児から4年生までが週1回、1時間ずつ学んでいる。

坂井先生は、かつて、大手の進学塾で国語や算数を教えていた。しかし、息子が小学生になり、速さを求めて反復の勉強をさせるうち、家庭での勉強は嫌がるようになってしまった。そのとき見つけたのが、どんぐりの「絵で解く」勉強法だ。

「進学塾の多くは、先取り問題を出し、少し考えさせたらすぐに黒板に図を書き、式の組み立て方を教えます。子どもは解き方を覚え、速く解くだけ。数のイメージはふくらみません」

この教室では、文章題しか解かない。しかも、すべて絵で描き、目で考えさせる。700の問題から、その子にあったものを選ぶ。この日は、3年生の女の子に、次の問題を渡した。

《ミミズのニョロは3色の宝箱を見つけました。赤の宝箱には黄色より4個多い宝。黄色の宝箱には青色より2個少ない宝が入っています。宝箱を開けたらみんなで30個の宝がありました。赤色には何個の宝があったでしょう。》

女の子は真っ白なノートに色鉛筆で3色の宝箱を描いた。色を使ってわかりやすくするのも、ここの手法だ。

続いて、赤の宝箱に4個、黄色の宝箱に2個の宝を描き、

30-4-2=24

24÷3=8

8+4=12……で、答え12個

と書いて、「できました!」。

「じゃあ、説明して」。解けたら絵を説明するのがルールだ。

「赤は黄色より4個多いから四つ宝を描いて、黄色は青色より2個少ないから……。あっ、まちがえた!」。先生はニヤリ。答えは正解だったが、この絵では、黄色の宝箱に2個描いたため、「8」がどの宝箱の数かわからなくなってしまった。

修正して、今度は、答えを確かめるための筆算。「暗算はしないで筆算で」もルール。思考の経過を目で確認させるためで、消しゴムは使わない。

1時間かけて、小学2年生の男の子は4問。1年生の女の子は、1問をじっくり解いた。

「まとめてやらない。ゆっくり、じっくり、ていねいにというのもルールです」と先生。

もし、最後まで解けなかったら?

「1カ月待って、もう一度やったら解けますよ」(宮坂麻子)

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数式も絵に置き換えてみよう
(123×2×36-8640)÷36という数式を見て、何年生なら解けると思いますか?

電卓を出したくなる大人もいるかもしれません。では、これならどうでしょう。

「運動会で使うハチマキのお金を全員から集めました。ハチマキは1本123円で生徒は36人。1人2本使います。集まったお金は8640円でした。誰かが金額を間違えたようです。不足分を全員で出し合うには、1人何円出せばいいでしょう」

上の問題を2年生に与えたら、絵に描き、やがて123+123=246、246+246=492……と、足し算の筆算で解いていきました。かけ算の概念につながります。最後は不足分の216円を、5円玉や1円玉に置き換え、36人に分けて見事正解しました。

どんぐりの問題は、幼児から学年ごとにありますが、うちでは、学年にこだわりません。「習ってないからできない」という子はいません。わからなければ、解けない問題を「わからん帳」にはり、半年かけても自分で答えを引き出します。

数式も絵にすることで、様々な角度からアプローチでき、楽しく考えることもできます。そこから自信や粘り強さが生まれます。やってみてください。

(久が原どんぐりルーム・坂井加代子さん談)

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