考える力は生きる力 考え抜く頭脳を育てたい

コラム<8>


2008/11/14

 

<自分で考え、自分で選び、行動できる子供に育てる!(その1)>

 

11月22日、23日の学習相談会ですが、多数の皆様のお申込により、満席となりました。何かとお忙しいこの時期に、厚くお礼申し上げます。

 

当日の内容は、オンラインのメルマガやこのコラムでも随時取り上げていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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いきなりですが、世の中には本当にいろいろなダイエットがありますね。

 

最近大ヒットしたのは「朝バナナダイエット」でしょうか。(腰まわしというのもありますね)バナナの勢いがちょっと衰えてきたと思ったら、何と今度は「朝ミカンダイエット」が登場し、私は本当に驚いてしまいました。

 

実は、「バナナがいい」と言われ、試したけれどうまくいかなくて、次にミカンにうつっていくダイエッターは、あまり満足のいく数字をだすことはできません。

 

しかし、「何故バナナを朝に食べると、やせるのか」その理論を勉強し、「何故自分は効果がでなかったのか」自分の体験を意識してふりかえってみるダイエッターは、結果としてきちんとやせることができると思います。

 

このようにダイエットに取り組む上でも、一番重要なことは、きちんとした「理論」なのです。

 

実は、今回の学習相談会では、「子供の家庭学習は何をさせればいいですか」、「中学受験のために、算数以外の勉強法はどうしたらいいですか」といった内容のご質問も多数いただきました。それは、可能な限りお答えしようと思います。

 

しかし、より重要なことは「何のためにどんぐりの文章題をするのか」、「子供はその発達段階に応じて、どのように感じ、考え、行動できるようになるのか」と言う理論であり、子育てと教育の本質の部分だと、私は考えています。

 

また今回このコラムのテーマとして、「自分で考え、選び、行動できる子供に育てる」を取り上げました。これは、当どんぐり教育研究会が、設立当初から最優先に考えてきたテーマでもあります。言葉にすると簡単そうですが、これは大変に難しいことです。

 

親御さんたちに知っていただきたいことは、変化の激しいこれからの時代を生きる子供たちは、「テストでいい点がとれる」だけではだめです。学歴が重要視されるのは、新卒のときだけで、卒業して3年もたつと、あとは「職歴」のほうが重要になってきます。

 

ですから、学歴のみに固執せず、知力、学力、人間力をバランスよくそなえ、「何でも食べ、どこででも生きていける」タフな人間に育てることが、結果として子供の「自己実現」を応援することになるのです。

 

今回の学習相談会では、今幼児・小学生の子供たちが社会に出るころ(20年から30年後)、日本と世界をとりまく状況が、どうなっているのかについても、お話できたらと考えています。

 

(次回に続く)

 

 

2008/11/28

 

<自分で考え、自分で選び、行動できる子供に育てる!(その2)>

 

11月22日、23日の学習相談会(東京・飯田橋)は、3教室とも満席となり、120名の皆様にご参加いただきました。何かと忙しいこの時期に、わざわざ足をお運びいただき、本当にありがとうございます。

 

22日には、「コトノハ通信」持参で、ちゃこ先生が参加され、23日には準拠教室の坂井先生と協力教室の小野田先生がご参加なされました。

 

また、当会の会員ならびにFAX添削会員の方もたくさんご参加いただきました。遠方から足を運んでいただいた方も多く、皆様には心から感謝申し上げます。

 

早速いろいろなご感想をいただきました。そのうちのいくつかを、ここでご紹介させていただきます。

 

「家に帰って、1行ずつ絵にかくやりかたで、どんぐりに取り組んでみました。ダンゴムシは、図鑑をみながら、足が14本もあるんだ、と言いながらかきました。今までは、○に適当に足を4本かいて、終わりだったと思います。よい方向にむかうことができました」(お子様・年長さん)

 

「子供の発達段階には一人一人違いがあり、無理に中学受験をさせるとよくない、ということが理解できました。うちの子は、中学受験にはむいてないと思いましたが、子供がどうしてもしたいと言い出したときのために、親として準備だけはしておこうと思いました」(お子様・小学校4年生)

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当日は、はじめに、「言葉を視覚イメージに再現する力が、いかに重要であるか」を、実際にお父さん、お母さんたちにも実感していただくために、現実の中学入試に出題された問題を利用して「算数」と「国語」の二つのワークを行いました。

 

算数のワークの1問目は、小学校高学年で、多くのお子様が「わからなーい」と言いはじめる「速さの問題」です。

 

実際に自分で鉛筆をもって考えてみると、算数では、「内容を視覚イメージに転換し、細部に注意して理解する力」。これをより具体的にいうと、「文章を自分のイメージにひきよせて、条件を読み取り、細部に注意して正確に図をかく」ことが、いかに重要であるかがよくわかります。

 

『今回は、「家から駅まで毎分70メートルの速さで歩くと、毎分60メートルの速さで歩くより3分早くつきます。このとき、家から駅までの道のりを求めなさい」という問題を取り上げましたが、「3分はやい」の部分を図にするのが、意外と難しかったのではないでしょうか。』(桐光学園中)

 

国語のワークでは、早稲田実業中の入試問題から、「国語の読解とは、内容を視覚イメージに変換し、細部に注意することなくその流れを感じる力である」ということが、すぐに実感できる題材を取り上げました。(出典:津村節子『似ない者夫婦』〈河出書房新社〉)

 

このように、前半は「視覚イメージはすべての学習のプラットフォームになる」という糸山先生の「教育の統一場理論」という考えをメインに、構成しました。

 

また、最近のお子様が、「言葉を視覚イメージに変換する力が落ちている」原因の一つとして、テレビやゲームによる影響と同時に、子供の生活そのものが受身になっていることをのべ、子供が「五感を使っていろいろな体験をする」、「意識して、よく見る」、「体験を意識化する」、「言葉と体験をリンクする」ことがいかに重要性なのかに力点を置いてお話しししたところ、多くの参加者の方がうなずきながら話を聞いておられました。

 

(次回に続く)

 

 

2008/12/18

 

<自分で考え、自分で選び、行動できる子供に育てる!(その3)>

 

国際教育到達度評価学会(IEA)が公表した、2007年国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果が発表されました。

 

この調査は、各国の小学4年生と中学2年生を対象に実施され、日本の順位は小学4年生が算数・理科とも4位、中学2年生が数学5位、理科3位で、ほぼ前回(2003年調査)と同じレベルでした。

 

平均得点は中2の数学以外、わずかながら前回を上回ったことで、文部科学省は「学力低下傾向に歯止めがかかった」と分析しています。

 

しかし、ここで詳しくみてみると、IEAが調査している学力とは、「知っていれば解ける」いわゆる従来型・情報処理型の学力のことなのです。

 

それに対し、今教育関係者の関心を集めている、経済協力開発機構(OECD)のPISAが調査している学力とは、個々の知識や処理スピードではなく、「学んだことで何ができるか」という、知識の活用力、応用力、思考力、論理力、表現力などに焦点があてられています。

 

ですから、この二つの調査ではかっている力とは、全く別のものであることを、認識することが重要です。

 

マスコミの報道などをみていると、「フィンランドは学力世界一」、「学力世界一のフィンランドに学ぼう」という表現をよく目にします。

 

しかし、これまで一般的に「学力」ととらえられてきたのは、「情報処理型」の学力のことなのですから、「フィンランドは学力世界一」と評価するのは、大いに矛盾があるような気がします。

 

実際、「学力とは何か」、「これからの子供たちに、本当に必要な力とは何か」と言う言葉の定義があいまいにされたまま、「PISAの順位が下がった」ことだけを問題にしていても、あまり意味はないと私(カニ先生)は考えます。

 

実は、フィンランドという国は、1992年からの教育改革で「ゆとり」を重要視し、従来型の学力よりも、PISA型の学力を選んだ国なのです。ですから、TIMSSの調査には、1999年からは参加すらしていない、と知り、私(カニ先生)は、「そこまで信念をもって教育改革を行ったのか」と、驚いてしまいました。

 

今回、私が親御さんたちに言いたいことは、これから新学習指導要領への移行がはじまり、学校の授業が詰め込みぎみになることが予想される中で、「学校での評価やテストの成績、ましてや塾での偏差値などに一喜一憂しないほうがいい」ということです。

 

今の学校や塾の現場では、「できないよりは、できたほうがいい」として「まずは、できるようにしてしまおう」という発想が、多かれ少なかれ見受けられるような気がします。

 

これは子供だけでなく大人もそうなのですが、「勉強とは覚えるもの」、「正解をすばやく出せるよう、繰り返し練習をするもの」という考え方が、これまで通用してきたこともあります。

 

日本では、テストや入試が終わると、勉強したことを忘れてしまう、とよく言われます。なぜかといえば、それは「テストのための勉強」だからです。

 

しかし、教科に限らず、たくさんの問題を練習して、「このパターンのときは、こういう答えを出す」という勉強の仕方を身につけてしまった多くの子供は、「勉強って苦しい」、「面倒くさくて、大変」、「いやなもの」という感覚に陥ってしまうのが現実です。

 

実は、学力低下論争と同時に、日本の子供たちの学習意欲の低さは、過去の様々な調査で毎回指摘されてきました。

 

2006年のPISAでも、テスト問題にどれだけ真剣に回答したかを聞く「意欲」の項目では、日本の平均値は参加国中最低であり、記述問題での無回答率の高さも目立ちました。

 

今回のTIMSSの調査では、「勉強が楽しい」と答えた子供の割合が、小学校4年生の理科を除いていずれの科目も国際平均を下回っており、中学2年生にもなると、「何のために学ぶのか」という意識は、驚くほど極端に低下してしまうのです。

 

(次回に続く)

 

2009/1/7

 

<自分で考え、自分で選び、行動できる子供に育てる!(その4)>

 

新年あけまして、おめでとうございます。旧年中は、本当にありがとうございました。

 

さて、新春。今年は、みなさんにとって、どんな年になりそうでしょうか。

 

私(カニ先生)は、今年のお正月、いろいろとこれから取り組んでみたいことを考えてみました。その中で、すぐにでも自分ができることとして、このホームページに「音声メッセージ」を、コンテンツとして追加することにしました。

 

どんぐり教育研究会がスタートして、ちょうど2年になりますが、その中で、いろいろなご質問やご意見をいただいてまいりました。また、ファックス添削の会員の皆さんにも、日々様々なアドバイスをさせていただいております。

 

私自身、「これは、どうお答えすればよいのだろう?」と考えてしまうようなご質問も最初のころはありましたが、そのつど、専門書を読んだり、糸山先生の本を読み返しながら、自分の経験と織り交ぜて、情報として加工しなおし、個別にお答えしてまいりました。

 

その中で普段から感じていることは、「今子育て中のお父さん、お母さんは、どう子供を育てればいいのか、非常に悩みながら子育てをされている」ということです。

 

それは、ある意味当然のことだと思います。

 

教育雑誌では、次々に「おすすめの教育法」、「○○メソッド」、「○○脳をつくる方法」が特集されますし、「教育格差が広がっている」など、お父さん、お母さんの不安をあおるような記事が、日々マスメディアをにぎわしているからです。

 

また、お父さんたちが読むビジネス系の雑誌も「中学受験」特集をすると、飛ぶように売れるとよく聞きます。

 

しかし、いろいろな情報にふりまわされて、あれこれ迷っていると、子供はあっという間に12歳を過ぎてしまいます。ですからお父さん、お母さんは、目先の情報や中学受験をするか、しないかだけではなく、「子供にどうなって欲しいのか」大人になったときの姿をしっかりイメージして、「我が家はこれでいこう」というオリジナルの教育方針を、しっかりともっていてほしいのです。

 

私は、今子育てをされているお父さん、お母さんには、子供が成長したときに、日本と世界がどのように変化しているのかを、しっかりと見つめていただきたいと考えています。

 

たとえば、20年か30年後のアジア経済の中心は、中国、インドあたりになると予測されています。日本は、今後毎年人口が減少していき、2055年には9000万人を割り込む状態になるでしょう。

 

これまでの日本の社会システムは、「右肩上がりの経済成長」を前提としていますが、今後は働く人も、商品を買う人も、どんどん減少していく(1年に100万人近く)という、「今生きている大人たちが、経験したことのない」未知の世界に突入していくことになります。

 

こうした時代になると、「日本から、働き手が海外に出稼ぎにいくようになる」と言う評論家もいます。どちらにしろ、日本の会社も海外に出て行くケースが増え、これからの子供たちが大人になる頃には、「出張で明日からインドなのさ」が、ごく普通の会話になるかもしれません。

 

こうなってくると、子供たちのとって必要な力は、学校や塾のテストで点数がとれることよりも、未知の領域に果敢に挑んでいけるチャレンジ精神や、たくましさ、異文化への理解、コミュニケーション力、ゼロベースで物事を考えていくことができる思考力、などであることは、容易に想像ができるのです。

 

また、何よりも重要なことは、「自分はがんばったらできる」という自分に対する信頼です。

 

今回は、音声メッセージの第一回として、この「自己信頼感=セルフ・エスティーム」を取り上げました。是非クリックしてみてください。

 

今年もよろしくお願い申し上げます。

 

(次回に続く)

 

 

2009/2/6

 

<自分で考え、自分で選び、行動できる子供に育てる!(その5)>

 

2007年4月、全国の小学6年生と中学3年生を対象に、全国学力テストが実施されました。この学力テストでは、国語と算数の2教科が実施されましたが、従来の知識重視のテスト形式ではなく、基礎的な知識を問う「A問題」と、知識の活用を問う「B問題」の二部構成となり、B問題では記述が4割を占めていたことが、話題になりました。

 

この学力テストが実施された背景には、日本の学力低下論争の一つのきっかけとなった、いわゆる「PISAショック」というものがあります。

 

この「PISA」とは、先進国間の自由な意見交換、情報交換を通して、経済成長に貢献することを目的とした国際機関であるOECDが、2000年度からスタートした国際学習到達度調査のことです。

 

義務教育を終えた15歳を対象に、3年に一度調査を行い、2006年度調査では、OECD加盟国30か国、非加盟国27国(地域)から、約40万人の15歳児が参加しました。

 

このPISAで驚異的な成績をおさめたのが、北欧のフィンランドという国です。そこで「学力世界一のフィンランドに学ぼう」、「フィンランド・メソッド」という言葉が、教育界ではまるで流行語のようになりました。

 

しかし、いろいろと調べてみると、この「フィンランドは学力世界一」というのは、私たちが日ごろ使っている「学力」の概念とは、少し意味が違うことに気がつくのです。

 

まず、PISAの調査は、日本でいうところの学力テストのようなものではなく、「義務教育終了段階の15歳児がもっている知識や技能を、実生活のさまざまな場面で直面する課題にどの程度活用できるかどうか」を評価するものです。

 

PISAが調査している学習到達度は、「数学的リテラシー」、「科学的リテラシー」、「PISA型読解」そして「問題解決力」であり、たとえば科学的リテラシーは「自然界および人間の活動によっておこる自然界の変化について理解し、意思決定するために、科学的知識を使用し、課題を明確にし、証拠に基づく結論を導き出す能力である」と定義づけられています。

 

このようにPISAの問題を詳しくみていくと、PISAでいうところの学力を向上させるのは、漢字や計算の反覆や、知識の習熟ではなく、情報を正確に読み取り、それにどういう意味があるのかを解釈し、世の中の物事との関係の中で、過去の経験や知識を組み合わせ、主体的な意見を持つ力を育てることではないか、と私はそう考えています。

 

実はこのように「世の中とのかかわりの中で、自ら考える力を備えた子供」というのは、これからのグローバル社会に必要な新しい学力観として、国際的な潮流となっているのです。すでにそのきざしが見えていますが、今後は大学入試、会社の入社試験でも、こういう傾向の問題が増えていくことが予想されています。

 

では、このような時代の流れの中で、日本の子供たちの現状はどうなのでしょうか。

 

ここで、マスコミなどで大きく取り上げられたので、ご存知の方も多いとは思いますが、いわゆる「PISAショック」について、詳しくみてみたいと思います。

 

実は、2000年の第一回のPISAの調査では、参加国中、日本は数学的リテラシーは1位、読解力は8位、科学的リテラシーでは2位でした。しかし、2003年の調査では、数学的リテラシーが6位、読解力では14位と、どちらも大きく順位を落としてしまったのです。

 

さらに、2006年の調査では、数学的リテラシーが10位、科学的リテラシーが6位、そして読解力は15位と、また順位を落としており、この結果をみると、PISA型読解力における日本の位置づけは、平均値、数学的・科学的リテラシーはどちらも2位グループに属するという位置づけになっています。

 

(次回に続く)

 

 

2009/3/11

 

<自分で考え、自分で選び、行動できる子供に育てる!(その6)>

 

前回のコラムで、2000年、2003年、2006年とPISAの順位が下がっていることを書きました。これを「ゆとり教育のせいだ」と言う意見があるようですが、私(カニ先生)は、そうは思いません。

 

そもそもPISAでいうところの学力は、日本において「学力」として計られてきたものとは、全く違うものなのです。

 

PISAのテストでは、たとえば読解力であれば、

 

「街なかにある壁の落書きに対し、賛成か、反対か。賛成、反対それぞれ異なる立場でかかれた手紙の内容にふれながら、自分なりの言葉を使って、自分の考えを書きなさい」というような問題が登場します。

 

これは、「この4つの選択肢から、もっとも適当なものを選びなさい」という、従来型の読解問題をいくら解いても、とても対応できそうにない問題です。

 

また、このPISA型読解の代表的な問題として知られる「落書き」をより詳しく見てみると、

 

「書かれた情報から推論してテキストの意味を理解する解釈」と、「書かれた情報を自らの知識や経験に関連づける熟考・評価」の、異なるレベルの問題がミックスされていることが分かります。

 

PISAでは読解力を、「情報の取り出し」「テキストの解釈」「熟考・評価」の3つのプロセスで定義しているのですが、日本の子供たちが特に苦手とするのは、この「推論解釈」や「自分の経験もふまえながら、自分で答えを作り上げる熟考」を要求される問題なのです。

 

この落書きの問題を例にとると、どちらの手紙に賛成かを説明する問題(問3)賛成か反対かは別として、どちらが良い手紙だと思うかを説明する問題(問4)における、日本の高校生の無回答率はそれぞれ15%、27%で、OECD平均の2倍もあったことが、指摘されています。

 

このような結果を受けて、2008年3月に告示された新学習指導要領では、ゆとり教育の見直しと同時に「考える力」が重視され、「PISA型能力の育成」が、全教科にわたってもりこまれました。

 

国語については、この新学習指導要領を受けて、これまでよりも文章や資料を読み込み、そこから考えをまとめたり、広げたりする指導が行われるようになります。

 

また、多くの親御さんにとって重大な関心事である算数では、授業に文章題が多く取り入れられ、答えにいたるまでの思考のプロセスを、きちんと残す指導が、重視されるようになります。

 

しかしながら、週休2日制はそのままで、学ぶべき内容が大幅に増える上、具体的なことは個々の現場に丸投げされているのが現状のようです。学校での指導法が、実際どのように変わるのかは、今後の大きな課題ともいえるでしょう。

 

(次回に続く)

 

 

2009/4/8

 

<自分で考え、自分で選び、行動できる子供に育てる!(その7)>

 

いよいよ新年度が始まりますね。

 

子供にとって、一つ学年があがる、というのは、とても大きなイベントです。

何となくそれだけで、気持ちがわくわくしてくるものです。

 

「今度はどんな先生になるのかな」、「どんな勉強をするのかな」と、是非親子で、新しい年の目標、がんばりたいことなどを、楽しくお話されてみてください。

 

がんばりたいこと、が勉強でなくてもいいのです。「一輪車」、「工作」、「体操」何でもいいのです。その子が「がんばりたい」、「やりたい」と本気で思っていることは、是非心から応援してあげてください。

 

最近、私(カニ先生)は、「子供を伸ばす親(や先生)に共通するポイント」は何か、と考えるようになり、いろいろと調べています。吉田松陰など、歴史上の人物に、大きなヒントをえることもあります。

 

まだまだ試行錯誤の途中なのですが、少しずつ「大切なこと」が見えてきました。

 

そのうち、このコラムやメールマガジンなどで、ご報告していきたいと思いますが、一つだけ確実に言えることがあります。

 

それは、「子供を伸ばした親(教師や指導者)は、子供の今の気持ちを認め、寄り添い、共に考えることを重視し、そのための多大な努力を惜しまなかった」ということです。

 

たとえば多くの親御さんにとって、「子供が勉強しない」、「自分でじっくり、考えようとしない」というのは、共通する悩みの一つです。

 

先日も、新3年生、新4年生のお子様をお持ちの、複数のお母さまから、こんなご相談をいただきました。

 

「新3年生になりますが、大事な学年であること、どういう勉強の仕方を身につけるか、ということに不安を感じています」

 

「新4年生ですが、子供の、文章題が解けない、問題を読まずに解く、ケアレスミスをする、一度分からないと不機嫌になり泣いてしまう、等に悩み、叱りながら教えていました。これからどうすればいいのか、子供に対しどう働きかけていったらよいのか、悩んでいます」

 

実はこのような「もう、○年生になるのに、子供にどう勉強をさせればいいか分からない」という内容のご相談は、最近とても多いのです。

 

このようなご相談にお答えすることは、とても大変です。実際にお子様を見て話をし、これまでどのような遊びや学習をしてきたかを伺わないと、本当のことは分かりません。

 

私(カニ先生)は、これまで幼児から中学生までのお子様を持つ、数百人以上の親御さんと直接お話(個人面談など)をした経験がありますが、多くの親御さんは、「勉強は、楽しいものではない。けれど、子供のために、させなければならない」という思いをもっておられるようです。

 

そして、子供の顔をみると、「そんなにだらだらしないで、勉強しなさい」と、耳にたこができるほど「勉強、勉強」と繰り返す・・・・・。このコラムを読まれているみなさんは、ご家庭でどのようにお子様と接しておられるでしょうか?

 

子供に「勉強しなさい」と毎日毎日言ったほうがいいのか、それとも言わないほうがいいのか。大いに議論になるところですが、私の実体験から言うと、「勉強しなさい」と日々叱られているお子様に「勉強の得意な子」は、少ないようです。

 

(次回に続く)

 

 

2009/5/14

 

<自分で考え、自分で選び、行動できる子供に育てる!(その8)>

 

前回のコラムで、「勉強しなさい」と日々叱られているお子様に、「勉強の得意な子」は少ない、と書きました。

 

実は、毎日毎日「どうしてあなたは、勉強しないの」と叱られているお子様は、勉強に対して、マイナスのイメージを持ってしまうのです。

 

「今日はゲームをしたから、1時間は勉強しなさい」など、まるで勉強がペナルティであるかのようないい方をする親御さんも、決して少なくはないようです。

 

(自分も親から、そう言われ続けてきた、という方も、いらっしゃるかもしれませんね)

 

私(カニ先生)は、これまで幼児から中学生までのお子様を持つ、数百人以上の親御さんと、いろいろなお話をしてきましたが、親御さんの多くは、「勉強は楽しいものではない。けれど子供のために、させなければならない」という思いをもっておられるようです。

 

しかし、親自身が「勉強は楽しいものではない」と考えており、勉強を「ペナルティ」であるかのように語っているのであれば、お子様が、すすんで「勉強をしたい」、「頑張りたい」という気持ちにならないのは、当たり前のことなのです。

 

子供は、親の背中を見て育ちます。「勉強好きな子」に育てたいのであれば、親自身が、「なるほど、そうだったのか」と机の上に本を広げて、楽しく勉強する姿を見せるのが一番ではないでしょうか?

 

子供に「勉強をさせながら」お母さんは、テレビをみている、というのは、決してよくありません。

 

子供が勉強をしているときは、テレビを消す、お母さんも本を読む、(通信講座に取り組む)決められた時間になったら、「勉強の時間だ、という空気を作る」など、いろいろと工夫をされてみてください。

 

重要なことは、(出来れば)小学校低学年のうちに「毎日勉強する」という、正しい家庭学習の習慣を身につけることです。

 

12年間、5万人以上の「勉強ができる子の学習行動」を調査した中畑千弘さんは、「勉強ができる子は、叱られなくても、毎日自分から机に向かう、という習慣が身についている」と、そう結論づけています。

 

実は、全国学力テストで1位になった秋田県では、1年生から毎日「家庭学習ノート」を行う習慣を身につけさせています。

 

この「家庭学習ノート」は、テストの点をあげるより、子供たちの「自分で考え、自分で学ぶ力」を身につけさせるのが目的で、出された問題を解くのではなく、「何をやるのか」は、子供たちが自分で決めていきます。

 

私(カニ先生)が注目したのは、秋田県の「家庭学習ノート」では、解いた問題の数ではなく、取り組む時間を大事にしている、ということです。

 

家庭学習の目安は、1年生で30分、3年生で40分と、学年X10プラスα分が目安となっており、分からない問題でもすぐにあきらめるのではなく、じっくり考える習慣を身につける、という指導が行われているのです。

 

全国学力テストでも、秋田県は無回答が少ないという良い結果につながっているのは、ここに原因があると考えられます。

 

(次回に続く)

 

 

2009/6/12

 

<自分で考え、自分で選び、行動できる子供に育てる!(その9)>

 

先日、あるお母さまから、こんなご質問をいただきました。

 

「どんぐりを週に一度、自分の決めた日にやることになっているのですが、声をかけるまで、何だかんだと言って、先延ばしにしようとします。

…もともと、どんぐりに限らず、答えを間違うことをひどく嫌がります」

 

「(どんぐりは)教科書の問題よりもひねってあり、すぐに分からない、絵をかくのが(上手にかけないので)好きではない、という理由もあるのかな、と感じております」

 

実は、このようなご質問は、最近とても多いのです。

 

私(カニ先生)は、全国の保護者の方から、いろいろなご質問やご意見をいただきますが、いただいたご意見を総合して考えてみると、

 

「うちの子は、間違うのがいやだ!という思い込みが非常に強く、どんぐりも、凄くやさしい問題や、自分の得意な問題ばかり選ぼうとする。どうしたらよいのだろう…」

 

と悩まれている保護者の方が、全国に大勢おられるのではないか、と強く感じています。

 

私(カニ先生)は、「算数や国語が分かるようになる・楽しくなる」のは、もちろんですが、子供たちが「間違うことをおそれない」「分からないことを楽しめる」ようにするのが、どんぐり方式の学習法である、と考えています。

 

多くの学校の先生や教育関係者、そして保護者の方は、

 

・速く行うこと(スピードを重視する)

・合理性を追求する(ムダを省いた教育を求める)

・点数をあげること(テストで、点数をとれるようにする)

 

この3つが、教育に対する最もよい方法である、と考えておられるようです。

 

しかし、「フィンランド式教育」の小林朝夫先生や、日本の数学教育の第一人者である芳沢光雄先生(桜美林大学教授)が、繰り返しその著書の中でかかれているように、このような考えは、幼児・児童期における「試行錯誤」や「オリジナルの考え方を重視する」世界の潮流とは、全く逆である、ということも、是非、知っておいていただきたいと思います。

 

日本が年々順位を落としていることで大騒ぎになった、「PISA」(国際学習到達度調査)を実施しているOECDのアンヘル・グリア事務総長は、「知識を記憶し、再現することしか学んでいない生徒は、将来の労働市場では通用しないだろう」と、言いきっています。

 

この言葉は、今後の日本の教育のありかたに対して、警鐘ともなる重要な言葉であると考えます。

 

(次回に続く)

 

 

2009/7/8

 

【全国統一小学生テスト(主催:四谷大塚)の案内から】

 

<自分で考え、自分で選び、行動できる子供に育てる!(その10)>

前回のコラムで、多くの学校の先生や教育関係者、そして保護者の方は、

 

・速く行うこと(スピードを重視する)

・合理性を追求する(ムダを省いた教育を求める)

・点数をあげること(テストで、点数をとれるようにすること)

 

この3つが、教育に対する最もよい方法であると、そう考えておられるようです、と書きました。

 

しかし、このような考えは、『幼児・児童期においては「子供自身の試行錯誤」を重視する』現在の世界的な潮流とは、全く逆』なのです。

 

もう一つ、とても重要なことがあります。

 

私(カニ先生)は、これまで数百人以上の小学生・中学生の親御さんたちと、面談などで直接お話をした経験がありますが、

 

「ドリルをたくさんすれば、頭がよくなる」

「机についている時間(塾に通って問題を解いている時間)が長いほど、学力が伸びる」

 

と、そう思われている親御さんも、決して少なくはないようですが、本当はそうではないのです。

 

糸山先生がその著書やホームページの中で、繰り返し述べておられるように、

 

「子供はストレスなく、好きなことを工夫して行っているときに、一番頭が良くなる」

 

「子供が好きなことをする時間を十分に確保するために、教材には工夫をこらさなければならない」

 

ということを、私たち大人はもっとよく理解しておかなければなりません。

 

どんぐりのお教材を見て、まずはじめに多くの方が思われることは、「本当にこれだけでいいの?」、「週に2問どんぐり問題をすることに、何の意味があるの?学力がつくなんて、信じられない…」

 

ということかもしれません。しかし、実際に1年、2年と続けてこられたご家庭からは、驚くべき、嬉しいご報告や体験談が、私たちにも次々と寄せられています。

 

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◆◆全国統一小学生テスト(「四谷大塚」主催:6/7)◆◆

 

先日、どんぐり倶楽部準拠教室の齊藤先生(神奈川県相模原市)から、次のようなメールをいただきました。

 

「先日、「日本をテストします」というキャッチコピーで、『全国統一小学生テスト』(主催:四谷大塚)が行われました。

 

当ニューリーフ・アカデミーからは、小学校4年生のY君が受験しましたが、Y君は総合1位(4年生の全受験者21,824名)というすばらしい成績を収めてくれました。」

 

「Y君は、昨年4月から当教室に通いはじめたのですが、どんぐり問題がとても好きで、週1回楽しく取り組んでいます。」

 

では、Y君は普段、家庭でどのような学習を行っているのでしょうか。

 

(次回に続く)

 

 

2009/8/8

 

<自分で考え、自分で選び、行動できる子供に育てる!(その11)>

 

■8月15日(土曜日)朝日新聞・夕刊「花まる先生公開授業」シリーズに、どんぐり倶楽部の準拠教室「久が原どんぐりルーム」(坂井加代子先生)が登場します。全国版への掲載ですので、是非ご覧ください。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

■千葉県柏市に準拠教室「どんぐり教室・柏の葉」(大塚みのり先生)が誕生しました。

 

前回のコラムでは神奈川のどんぐり倶楽部準拠教室「ニューリーフ・アカデミー」に通われている小学校4年生のY君が、四谷大塚主催の全国統一小学生テストで、全国の小学4年生21,824名の中で、総合1位でした」と書きました。

 

Y君は、昨年の4月からお教室に通いはじめたのですが、どんぐりの文章題がとても好きで、週に一回楽しく取り組まれているそうです。

 

毎日のように塾に通い、何時間も勉強におわれている子供たちに対して、Y君は、週に1回、2時間程度しかどんぐり問題に取り組んでおらず、いわゆる塾通いはされていません。

 

Y君のご両親は、どんぐり倶楽部の問題以外では、Y君の学びたいことを、好きなように学べるよう、環境を整えておられるそうです。

 

ここで私(カニ先生)が、みなさんに知っていただきたいことは、Y君は、算数だけではなく、国語・算数・理科・社会4教科の総合で、1位をとった、ということなのです。

 

Y君のご両親は、「息子がこのような結果を出せたのは、どんぐり問題の内容により、考える力がついたおかげだと思っております」と、お教室の斉藤先生に話されています。

 

もちろん、どんぐり倶楽部の問題は、このようなテストでよい成績をとるために、あるわけではなく、「全国統一小学生テスト」が、子供の力をはかるすべてではありません。

 

ただ、どんぐり文章題を、自分のペースで、絵をかきながら楽しく取り組み、それ以外の日には、自分のペースで好きなことを学んでいるお子様が、全国の小学生の中で総合1位をとることができたのは、どんぐり問題のすばらしい可能性を示しているのではないでしょうか。

 

さて、ここで「Y君の好きなことって、どんなことなのだろう」「塾通いをせず、毎日何をしているのだろう」と気になる方も、おられるかもしれません。

 

私(カニ先生)は、「このお子様は、自分では意識しなくても、かなり高度な学習を自分でどんどんしているのではないか」と想像していたのですが、実は、そのとおりでした。

 

Y君は、自分が「楽しい」と思える学習を、ご両親から思う存分させてもらい、以前は、大好きな化石の図鑑を、パソコンを使って自分で作ったりしていたそうです。

 

このように見てみると、「Y君は、きっと特別なお子さんなのだろう。」と思われる親御さんもおられるかもしれません。

 

しかし、これはどのお子様にも、決して「ありえない」という話ではないのです。

 

子供は、親のおしつけではなく、自発的に「やってみたい」と思ったことについては、驚くべき成長をみせることが多々あります。

 

私が教えていた小学生の中にも、「古典をどんどん読んでいる」「歴史にものすごく興味があり、専門書まで読んでいる」「政治の話が大好きで、歴代内閣の表を作っている」など、いろいろなお子様がおられました。

 

ここで、是非親御さんたちに知っていただきたいことは、無味乾燥な知識の暗記やテストのための勉強ではなく、自分の好きなことを深く学んでいるお子様は、総じて「国語がきらい」「漢字がきらい」そして「勉強がきらい」とはいわず、学校の成績もよい場合が多いということなのです。

 

私は、これまで多くの子供たちをみてきた経験から、親御さんの役割は、子供の持っている力を信じ、子供が「どの方向に伸びていきたいのか」をよく見極めたうえで、子供のペースで学ぶことを楽しめるよう、じっくりと見守ってあげることではないかと考えています。

 

(次回に続く)

 

 

2009/9/6

 

<自分で考え、自分で選び、行動できる子供に育てる!(その12)>

 

前回のコラムで、私は、親御さんの役割は、子供の持っている力を信じ、子供が「どの方向に伸びていきたいのか」をよく見極めたうえで、子供のペースで学ぶことを楽しめるよう、じっくりと見守ってあげることではないかと書きました。

 

しかし、「子供の力を信じる」「子供が自分のペースで学ぶことを楽しめるよう、じっくり見守る」というのは、言葉にするのは簡単ですが、なかなか難しいことだと思います。

 

私たちオンラインは、今年になってから今日までの8ケ月間、平均すると、毎日2件~3件のご質問をいただきそれに対してお答えしてきました。

 

サポートコースや、指導者養成講座を受講されている親御さんからは、同じテーマについて、4回も5回もメールでのやりとりをすることもあまり珍しくはありません。

 

いただいたご質問の中でも、典型的な内容としては、例えばこのようなものがあります。

 

●小学校低学年だが、頭の健康診断では、全問不正解でした。どうすればいいのでしょう?

●絵に描いてみようといっても、どう描くのか分からず、手が動きません。

●考えるより先に数字を勝手に足したり、引いたりする癖がなおりません。

●どんぐり問題を見ただけで、いやがります。

●「答えが出ない、絵が描けない」といって泣きます。

●「分からない、僕には、こんなの出来ない」と、マンションの壁をたたいて暴れます。

●文章をよく読まずに、「分かった!」といって、すごい勢いで式をつくり間違えます。

●不正解が続くと、相当なショックを受けている様子です。あせらずに待っていたいのですが、これからどう進めていけばいいのか不安があります。

 

このようなご質問をいただくたびに、私(カニ先生)自身、以前教えていた小学校高学年の子供たちに、「30円のチョコを3つ買ったら、いくらでしょう?」と何気なくきいてみたところ、数人で声をそろえて「知らな~い!」と、大合唱されたときのショックを、昨日のことのように思い出します。

 

ですから、当会に質問をされる親御さんの多くが、「考えることを嫌がる」「答えを間違うことを嫌がる」目の前のお子様の様子にショックを受けて、「これは何とかしなければ」「学校にはまかせておけない」とあせってしまう気持ちはとてもよく分かります。

 

しかし、これまでいろいろなご質問やご相談をお受けしてきた経験からいうと、親御さんがあせって、子供を「変えよう」とするほどうまくはいかないことが多いのです。

 

親御さんが、「このままでは、考える力がつかない」とあせって、「どうして、こんな問題もできないの!」「学校で、何を習っているの!」などと叱りながら、無理やりどんぐり問題をさせているという場合もあります。

 

しかし、これはどんぐり問題に限ったことではないのですが、一方的に「させられている」「指示されている」ことは、決してお子様の成長にとってよいことではありません。

 

(次回に続く)

 

●最初のメッセージ「ストレスは子どもの大敵です」では、「子どもをよく見る、ゆっくり話す、子どものもっているテンポを尊重する」ことで、子どもの情緒が安定し、よく学ぶことができるという大切なテーマを取り上げています。

 

●2番目のメッセージ「子どものありのままを受け入れる」3番目のメッセージ「子どもの役目とは?」では、「子どもを徹底的に受容し、信頼すれば、子どもは必ずそれにこたえてくれる」という、これまで多くのどんぐりママたちがリセット期間中に経験したテーマを取り上げています。

 

 

2009/10/6

 

<自分で考え、自分で選び、行動できる子供に育てる!(その13)>

 

前回のコラムで、私は「これは、どんぐり問題に限ったことではないのですが、一方的にさせられている・指示されていることは、決してお子様の成長にとってよいことではありません」と書きました。

 

私も以前、講座を受講したことのある「親業」を日本に広めた第一人者である近藤千恵先生の著書「子どもに愛が、伝わっていますか」(三笠書房)の中に、次のような一文が書かれています。(親業とは、親を対象とした子供とのコミュニケーションを学ぶ講座です)

 

多少長くなりますが、とても大事なことだと思いますのでここに引用させていただきます。

 

「親業訓練をはじめたトマス・ゴードン博士は、自分より力のある人が何かを自分におしつけてきたとき、人間のとる反応はおよそ次の12に分類できると書いています」

(1)反抗

(2)うらみ

(3)報復

(4)ウソをつく

(5)告げ口・非難

(6)弱いものいじめ

(7)負けず嫌い

(8)親への対抗戦線

(9)従順

(10)ご機嫌とり

(11)同調

(12)想像の世界に逃げる

 

つまり、「どうして親の言うことが聞けないの!」「速くしなさい・言うとおりにしなさい」「あなたのために、言っているのよ」と力で子供にせまることは、決して子供のためにはならないのです。

 

子供は「素直に、言うことを聞いているフリ」をしているかもしれません。

 

しかし、親が一方的な指示・命令をすればするほど、子供の心に、「自分で考え、判断することを放棄した従順」か、「親に対するひそかな反抗」が育っているとするならば、これほど親御さんにとってショックなことはないでしょう。

 

糸山先生がその著書やホームページの中で繰り返し言われているように、子育てには「旬」というものがあります。

 

乳幼児期は「心の旬」。つまり人間としての基礎をつくる最も大事な時期なのです。

 

この時期に「全面的に受容され、見守ってもらえる時期があるほど、子供は安心して自立していける」ということは、明橋大二先生の「子育てハッピーアドバイス」(1万年堂出版)などの本にもかなり詳しく書かれています。

 

先日、私は、幼児の心の問題を扱っている小児科の先生のお話を聞く機会がありましたが、その中でも、

 

「子育てとは、子供を見守ることです」

 

「子供をよく見て、今この子はどんな気持ちで何を考えているのかを、親がきちんと受け止めてあげることが一番大切です」

 

「指示・命令ばかりされている子供は、親に心を閉ざし話さなくなる。意思のある人間ではなくロボットになる」

 

と言うことを、繰り返し強調されていました。

 

では、どうすればいいのでしょうか?

 

たとえば、「子供がどんぐり問題を、見ただけで嫌がる」「もう少し、難しい問題にも取り組んで欲しいのに、一度みたことのあるような、簡単などんぐり問題しか選ばない」

 

このような時、みなさんはお子様にどのような声かけをされているでしょうか?

 

子供に何か言いたくても、親がひたすら我慢をすればいいというわけではないのです。

 

(次回に続く)

 

 

2009/11/08

 

<自分で考え、自分で選び、行動できる子供に育てる!(その14)>

 

前回のコラムで、「親業」を日本に広めた第一人者である、近藤千恵先生の本を、ご紹介させていただきました。

 

その中に書かれているように、親が一方的な指示・命令をすればするほど、子供の心に「自分で考え、判断することを放棄した従順」か「親に対する、ひそかな反抗」が育っているとするならば、これほど親御さんにとって、ショックなことはないでしょう。

 

このように、子供に「自分の考えを、一方的に押し付ける親」を、親業では「勝者型」と指摘しています。

 

反対に、親と子の意見が違う、何らかの対立が起こったときに、「親の犠牲のもとに、子供に勝ちをゆずってしまう親」、親業では「敗者型」と指摘される親御さんも一定数おられます。

 

実は、私が以前教えていた英語教室や幼児教室でも、今ふりかえればまさに「このタイプかも??」と思われる親御さんがいらっしゃいました。

 

親子で一緒に受ける英語のレッスンの最中に、子供が「おなかがすいた。お菓子ちょうだい」と親御さんにせがむ場合があります。

 

「今は我慢しましょうね」と言われると、大多数のお子様は納得しておさまります。しかし、小さいお子様が「今、お菓子をくれないと、ぎゃーって言うよ!」とさらに駄々をこね続け、困った親御さんが「仕方がないわねー」とその場でお菓子を食べさせてしまう場面にも少なからず居合わせました。

 

こういう場合、子供は「ぎゃーっと言えば、親は何でも自分の言うことを聞く」と思っているふしがあり、親をコントロールするために激しく泣き叫ぶのです。

 

小さいうちは、「お菓子一個」ですむ話ですが、子供の欲求は成長するにしたがって「ゲーム」「おもちゃ」「カード」、そして「携帯電話」とどんどんエスカレートしていく危険性を秘めています。それでも、子供の言うがままにねだられると欲しいものを買い与える親御さんは決して少なくないようです。

 

このように、「いつも、子供の言うことを聞く」「何でも望みをかなえてあげる」親御さんは「子供というのは、扱いが難しくて大変だ。それならば、何でも言うことを聞いて機嫌をとっておいたほうが楽だ」と、そう思っておられるのかもしれません。

 

幼児から、特に小学校中学年くらいまでの子供と向き合うのは、本当に大変なことです。

 

私自身が疲れていたり体調が思わしくないときは、自分の生徒たちに「これは、きちんと言わないといけないと思うけれど、今はその気力がない」「何でもいいから、子供の機嫌をとっておこう」という誘惑にかられることも、決して少なくはありませんでした。

 

ですから、「分かった、分かった」と、何でも子供の言いなりになる親御さんの気持ちは、大変よく理解できます。しかしこうした親子の関係もまた、指示・命令ばかりの関係と同じくらい、子供の将来にとっては決してよいことではないのです。

 

(次回に続く)

 

 

2009/12/08

 

<自分で考え、自分で選び、行動できる子供に育てる!(その15)>

 

もうすぐ、クリスマス!今年のクリスマスは、サンタさんに何をお願いしようかと、子供たちが胸をわくわくさせている時期ですね。

 

クリスマスといえば、私には印象深い思い出があります。以前教えていた、子供英会話のお教室で、外国人の先生と一緒に幼児クラスのクリスマスパーティを行ったのですが、その中で、一人だけ“うるさく騒いでパーティの邪魔をするお子さん”がおられました。

 

外国人の先生は、繰り返し注意をしても聞かないそのお子さんに、「クリスマスのお菓子」をあげませんでした。すると、パーティの後でお母さまがお子さんから事情を聞いて、「どうしてうちの子にお菓子をくれなかったんですか?うちの子は傷ついて、もう英語には行かない!と泣いています」と、顔を真っ赤にして、言ってこられたのです。

 

私は何が起こったのかを説明したのですが、お母さまは納得されませんでした。

 

ますます怒った様子で、「先生、うちの子はほめて伸びるタイプなんです。絶対に叱らないでください。子供の心を傷つけるようなことはしないでください!」と断言されました。

 

これは極端な例かもしれませんが、「子供を叱ったらいけない」「悪いことをしても、子供が自分で気付くまで待つのが良いのだろうか」とか、「子供が言うことを聞かず、どうしていいか分からない」と悩まれている親御さんが、最近かなり増えました。

 

しかし、前回のコラムでも書きましたが、「子供を叱ったら、ウツになってしまう。だから、何も言わないようにしよう」というのは、親と子の双方にとって良いことではありません。

 

悪いことでも、親が「それは、ダメだ」と意思表示をしなかったら、それが悪いことかどうかの分別は幼児にはつきません。

 

子供は、親や教師から善悪を教えられてはじめて、善悪の判断力を持つことができるようになるのです。

 

「してよいこと」「してはいけないこと」を大人が繰り返し教えることで、子供は善悪の判断力をもった人間になります。

 

ただ「してはいけないこと」は、出来るだけ少なめにするのがコツです。「人が大勢いるところで、騒いではダメ」「人のものをとったら、ダメ」「弱いものをいじめては、ダメ」「道路に飛び出したら、ダメ」など、重要なのは、社会性、公共性に関することです。

 

また、「叱る」と「怒る」を混同してはいけません。

 

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