考える力は生きる力 考え抜く頭脳を育てたい

コラム<6>


2008/5/2

 

<どんぐり流 脳を活かす12歳までの学習法(その1)>

 

脳科学者である茂木健一郎さんがかいた「脳を活かす勉強法」という本が、大変なベストセラーになっています。

 

この本の中には、親御さんたちにも参考になる「子育てと教育のポイント」が数多くかかれています。お時間があれば、是非本屋さんで手にとってみられることをおすすめします。

 

この本を読んで私(カニ先生)が考えたことは、「人間の脳の仕組みは、意外とシンプルなんだな」ということです。

 

この「人間の脳の仕組み」を理解し、その特性を活かした無理・無駄のない学習法を知っておくことは、特に子育て中の親御さんたちにとっては、非常に大切なことだと思います。

 

たとえば、茂木さんの言葉をかりると、「脳は、他人と自分を比較することでは、喜びません。そういう喜びのない学習は、身に付かないんです。人間の脳は、自分が少しでも前へすすんでいれば喜びます。そのスピードが速いか遅いかは関係ない」ということなのです。

 

私(カニ先生)は、一から十まで常に「他の子供と比較」され、大変なストレスを受けている子供たちをたくさん見てきました。極端な場合は、小学校受験のための習い事やお教室の時点から「比較・競争」の中に投げ込まれて、おぼれそうになっている子供たちもいます。

 

親御さんたちも、決して悪意があるわけではないのですが、「もっと頑張れ」という意味もこめて、何かが不得意なお子様に、「○○ちゃんは、できるのに、どうしてあなたはできないの?」というような言い方をしてしまうこともあるようです。

 

しかし、この「他人との比較」というのは、「脳科学の観点」からみても、決して得策ではないのですね。

 

このように、「脳科学」という視点から、子供への指導法や自分の勉強法を見直すと、いろいろな気づきがうまれます。

 

さて、話は変わって、脳の中の言語が「視覚イメージである」ということは、糸山先生がその著書の中で、繰り返し述べておられますので、ご存知の方も多いと思います。

 

私たちは、アメリカ人と話すには英語を、フランス人と話すには、フランス語を使います。これは、その人の言語で話さないと、自分の意志を伝えるのに大変苦労するからです。であるならば、「脳」とお話をするときには、「脳内言語を使う」のが、一番楽で効果的な方法なのではないでしょうか。

 

つまり、「脳内言語」である視覚イメージを活用しない学習法は、無理・無駄が多いのです。どんぐりの学習法は、人間が等しくもっている「視考力」と「視覚イメージ」をフルに活用しています。ですから、人と比較をせず、自分のペースで楽しく続けていけば、すべてのお子様に効果が期待できるのです。

 

(次回に続く)

 

 

2008/5/16

 

<どんぐり流 脳を活かす12歳までの学習法(その2)>

 

今回は、私(カニ先生)の個人的な経験を、述べてみたいと思います。

 

どんぐりの良質の算数の文章題の「ファックス添削」をスタートして、1年以上がたちますが、糸山先生から教えていただいた「視覚イメージを活用する添削」を行っていると、自分自身に次のような変化がありました。

 

1.人と話をしていても、内容を視覚イメージ化することが以前より簡単になり、話のポイントがすぐに分かるようになった

 

2.本を読んで、その内容を1枚の図表にまとめることが、すぐに出来るようになった

 

3.何でも図にかいて、全体を把握してから考えるようになり、仕事の段取りが以前よりよくなった

 

3.については、たとえば以下のようなことです。

 

忙しいビジネスマンを例にとってみましょう。今日の午前中のうちに、「A社の企画書を作る、B社の見積もりを指示する、出張の予約で飛行機と宿を決める、などなど」の仕事を全部こなさなくてはいけない場合、それを紙に書かずに、頭の中だけで段取りをすることは、到底不可能です。(少なくとも、私には出来ません)

 

一つの仕事(企画書作成)をしていても、「次は何をやるんだっけ」と気になって、そわそわし、ミスも多くなるような気がします。

 

しかし、一度やるべきことをすべて1枚の紙にかき、それにかかる予想時間もすべて数字で記入した上で、全体をみながら、計画をたててしまえばいいのです。計画をたてるまでは、多少時間がかかるかもしれませんが、全体を把握した上で方針をきめれば、安心して「今やること」に集中できます。

 

私(カニ先生)は、糸山先生が繰り返し「絵図をかいて考えなさい」と言われるのは、基本的にはこれと同じではないか、と思っています。

 

どんぐりの良質の算数の文章題では、文章にかいてある内容を必ず絵図にします。そして、分かっている数字は、すべて書き込み、自分のかいた絵図をじっくりと見るのですが、小学校低学年までは、絵図の中に答えがみえる場合がほとんどです。

 

どんぐりの問題は小学校中学年から、急に難しくなっています。つまり、問題の前提となる情報を絵図にして、かいた絵図の一部を移動させたり、変形させたり、2段階、3段階の操作が必要になるのです。

 

多くの私立中学校の入試問題は、一度に数段階の論理の組み立てを行わないと解けない程度の難問が出題されますが、これを「絵図」(概念図や模式図)をかかずに解こうとするのは、ほとんど不可能ではないかと私には思えてなりません。

 

(中には、全く紙にかかずに、頭の中だけですべての段取りをこなしてしまうスーパービジネスマンもいるように、そういう能力がひときわ高いお子様も、いらっしゃるかもしれませんが…)

 

しかし、「こういうときは、こうする!」と解法を丸暗記する、非効率で苦痛の多い勉強法ではなく、誰もが自分の頭で、論理的に思考し、正解へのプロセスを自分で導き出すことが出来るようにするには、「絵図をかいて考える」どんぐりの学習法が、効果的であり苦痛を伴わない学習法なのです。

 

また、論理的思考力、自分の頭でしっかり考えることができる「地頭のよさ」を試されるのは、実は算数だけではありません。過去問分析で、くわしくすべての教科を分析していくと、実は、他の教科でも同じことが言えるのです。

 

(次回は、中学入試の社会について、まとめてみたいと思います)

 

 

2008/6/4

 

<どんぐり流 脳を活かす12歳までの学習法(その3)>

 

前回のコラムで、「論理的思考力、自分の頭でしっかり考えることができる地頭の良さを試されるのは、実は算数だけではありません」と書きました。

 

実は、最近の中学入試の社会は、ただ知識を暗記するという学習法では、到底対応できない問題が増えています。

 

特に偏差値の高い上位校、難関校では、その傾向が強くなります。このレベルになると、基礎知識があることはもちろん、問題文や資料の中の情報をくみあわせ、自分なりに推論をし、そしてそれを的確に表現する力が求められているのです。

 

私(カニ先生)は、いろいろな中学の社会の過去問をみていますが、それぞれの学校の先生方が心血をそそいで作られている問題の数々をみていると、「すごい!」と感心することがしばしばあります。

 

たとえば、平成19年の栄光学園(神奈川県)では、以下のような記述問題が出されています。大変すぐれた問題だと思いますので、ここにご紹介させていただきます。

 

「日本と中国は、長い歴史の中でいろいろなつきあいかたをしてきましたが、そのつきあいかたのうつりかわりをまとめなさい」(原文のまま)

 

いかがでしょうか。この問題に解答するには、まず、古代、中世から近世、近代、そして現代という歴史的な見方が、きちんと理解できていないといけません。

 

これは、「○○年に○○がありました。はい、覚えましょう、テストに出ますよ」という勉強の仕方では、到底身に付かないものです。そこで考えられる回答のあらすじとしては、

 

『古代においては聖徳太子以前の朝貢外交があり、そして遣隋使、遣唐使の派遣による文化外交、中世から近世にかけての元寇による敵対の時期を経て、日明貿易によって経済外交に変化した。

 

鎖国の時代に続いて、近代においては日清戦争と日中戦争、その後の国交正常化を経て、現在中国は貿易相手国としてアメリカを抜いて1位となっている』という論旨を、ポイント、ポイントで確実に押さえていなければ点にはなりません。

 

すなわち、それぞれの時代において、日本と中国がどのような関係であったのかを、自分の頭でしっかり考え、それをわかりやすく表現していくことが必要になります。

 

この問題を限られた時間内で、要点を整理し、しっかりと自分の言葉でかくことができるお子様は、相当高いレベルで歴史の本質を理解し、日ごろから「地頭をきたえる」学習をしているお子様であるといえるでしょう。ちなみに、このストーリーに絡む歴史的な人物だけでもざっと30人はいます。全員を漢字で書ける実力を付けてくださいね。

 

実は、栄光のような難関校では、覚えなければいけない歴史や地理の知識は、むしろそう多くはありません。

 

しかし、古代~現代における税制や土地制度、中国との関係、宗教、経済と人々の暮らし、権力の変遷など、歴史における主要なテーマを、様々な知識をリンクさせて自分の言葉でしっかり説明できる、深い学習をしているお子様でなければ、得点できないような問題が出題されているのです。

 

実は、このような問題の傾向は、大学受験においては、東京大学の入試に共通しています。東京大学の世界史は、たとえば説明文を読んだ上で、「スエズ運河、汽船、バグダード鉄道、モールス信号、マルコーニ、義和団、日露戦争、イラン立憲革命、ガンディー、のすべての語句を必ず1回は用いながら、運輸・通信技術の発展の流れを、17行以内(1行30字)で論述しなさい」というような問題が出題されました。

 

これは、歴史上の事件や戦争がなぜおこったか、背景にある本質を理解した学生が「うーん」と考えると、しっかりつながっていくのだそうです。(プレジデントファミリー 2007年5月号より)

 

東大入試においては、全教科において情報を的確に読み取り、自分の頭で推論し、最適な答えを導き出す、という能力が問われているようです。

 

中学入試においても、難関校の出題の傾向は、ある意味で「東大型」に近づいています。栄光だけでなく、いくつかの上位校においても、突然記述式が導入されるなど、その傾向が見受けられます。

 

上位校・難関校を目指されるお子様は、日々の学習の中でいかに「考える学習」をしていくかが、合否の分かれ目になってくるといえるでしょう。

 

(次回に続く)

 

 

2008/6/25

 

<どんぐり流 脳を活かす12歳までの学習法(その4)>

 

私たちどんぐり教育研究会は、子育て中の親御さんたちから、毎日いろいろな質問や教育に対するご意見をいただきます。その中でも、

 

「国語の読解が苦手です。どうしたらよいのでしょうか」、「国語でも算数の文章題でも、思い込みや読み間違いがとても多く、このままでいいのか心配です」というご質問が多く寄せられています。

 

大人もそうですが、実は「文章に書かれている内容や、人の話していることを正確に理解し、その本質を読み取ること」は、案外と難しいのです。

 

子供のころ、学校でお友達とよくやっていた「なぞなぞ」の一つに、

 

「太郎君が風邪をひいて病院に行きました。その病院にいく途中の道で、モーと牛が鳴いて、蝶が飛んでいるのが見えました。さて、太郎君の病気はなんでしょう?」

と問題を出されたときに、「盲腸 !」と叫ぶ子供は、本当に多いのです。

 

つまり、このなぞなぞでは、最初に「風邪で病院にいく」と言われているにもかかわらず、「モーとチョウ、ここがヒントだ」という勝手な思い込みが面白く、笑いを誘うのです。

 

しかし、単なるなぞなぞならば「面白いねー」ですませることが出来ますが、これが中学入試となると、笑ってはいられません。

 

中学入試というものは、「落とすための試験」です。受験者全員に満点をとられてしまっては、出題者は頭をかかえてしまいます。そこで、あちこちに「落とすため」、「受験者の間で差をつけるため」のしかけが、数多く用意されています。

 

中学入試の過去問を一つ一つ見ていくと、国語でも算数でも、「この問題は、この部分で読み間違いをさせるように、敢えて作っているなー」と、気づく場合があります。

 

ですから、日ごろの学習の中で、「思い込みではなく、問題を正確に理解すること」を意識しながら、じっくり、ゆっくり、丁寧に取り組む習慣をつけることは、非常に重要であるといえるでしょう。

 

実は、どんぐりの良質の算数の文章題の中にも、問題をしっかり読み取らなければ間違えてしまう、注意力と集中力がないと正解できない意地悪な問題が、幾つも存在します。

 

たとえば、これは3年生の問題ですが、

「今日は全国CD飛ばし大会の日です。1人5枚ずつの巨大CDを、5メートル先の箱に投げ入れます。箱に入ったCDの厚さに応じて車をもらえます。始君は4枚、次野君は3枚、最後君は5枚が入りました。CD1枚の厚さを6ミリ、CDの厚さ2ミリにつき3台の車をもらえるとすると、みんなで車は何台必要でしょう」(3MX23)というのがあります。

 

ここで、ありがちなのが「1人5枚ずつのCDを、5メートル先の箱に」という部分にとらわれ、その部分を一生懸命に絵図にしようとすることです。また、5メートルという数字を使って、懸命に式をたてようとする子もいます。

 

しかし、注意深く読んでいくとわかるのですが、この問題の中で「5メートル先の箱」というのは、問題の本筋とはまったく関係がないのです。つまり、10メートルでも、100メートルでも構わないのです。

 

この問題のポイントは、「CD1枚の厚さは6ミリ、厚さ2ミリにつき3台の自動車がもらえる」というところを、きちんと自分の頭でイメージ化して絵図がかけるかどうか、にあるのです。

 

どんぐりの文章題に取り組むと、最初のうちは、このように、学年に応じたレベルで仕掛けられている「ワナ」にどっぷりはまりながら、「あー、わからない」と、もがき苦しむかもしれません。しかし、続けていくと少しずつ「集中力・注意力をもって文章を正確に読み取る」、「文章をイメージ化する」とはどういう意味か、自分で理解できるようになってきます。ですから、どんぐりを続けていくと、学年に関係なく、すべての子供に学力がつくのです。

 

次回は、最近の有名校の中学入試問題から、「文章を正確に読み取る力を問う」ためによく考えられた難問について、いくつかご紹介していきたいと思います。

 

(次回に続く)

 

 

2008/7/12

 

<どんぐり流 脳を活かす12歳までの学習法(その5)>

 

オンラインメンバーに登録された親御さんから、先日もこんなコメントをいただきました。「子供たちには、自分の力をのばして、幸せな人生をおくってほしいと願っています」、「自分がどう子供を育てたいのか、見えてきました」こんなコメントをいただくたびに、私(カニ先生)は、あることを思い出します。

 

以前教えていた生徒(4歳児)のお母さまなのですが、授業の間ひっきりなしに子供をしかっている方がいました。

 

「どうして、もっと早くできないの!」、「ほら、○○ちゃんを見てごらん。ちゃんとやっているでしょう。どうしてあなたは、やらないの!」

 

現代は、何でもインスタントの社会です。

ファーストフードやコンビニのお弁当があたりまえになり、そんな中で生活していると、「教育」も簡単に「プログラムや、パッケージ化されたものを購入すればいい」と思ってしまいます。

 

そのお母さまは、「子供のために、お金を払ってプログラムを購入し」せっかくだから頑張ってほしいと、「子供のために」しかっているのです。しかし、最大の間違いは「何でも、早くできたほうがいい」、「英語も勉強も、スタートは(遅いよりは)早いほうがいい」という「思い込み」です。

 

糸山先生の「12歳までに絶対学力を育てる学習法」の中に、次のようなことがかかれています。

 

大変重要なことですので、ここでご紹介させていただきます。

 

「教育の第一義的な目的とは、何でしょうか。

それは、抽象思考ができるように準備をすすめている進化途上の乳脳をもつヒト(子ども)を、自在に抽象思考ができる永久脳をもつ人間(大人)に育て上げることです。

正常な永久脳がもつ、高度な理解力、深い思考力、人間らしい判断力を育てることが、基礎教育なのです」

 

「幼児・児童期にスピード教育をされた子どもたちは、ゆっくりだと落ち着かなくなります。

その基準(=スピードが1番)に合わせるために、考えないようにするのです。

これでは、考えられない大人になるのは当然です」

 

幼児・児童期は、ヒトを人間に育てるという、親御さんにとっては「真剣勝負」の時期なのです。

 

強風でも耐えることができる稲は、実は根っこがしっかりと、張っています。

地面の上だけ見ていても、その違いはわかりません。人間も同じです。たくさんの知識を暗記していても、高度な理解力・深い思考力・人間らしい判断力という根っこがはっていなければ、使えないのです。

 

実は、中学入試の過去問を分析していくと、特に上位校・難関校の入試問題や、最近注目を集めている公立中高一貫校の適性検査では、「どれだけ深く根っこを張っていますか?」を問うている問題が多いことに気がつきます。

 

ここで、ある首都圏の難関中学校で、世界の水問題をテーマに作られた、社会の問題から一つご紹介しましょう。

 

「淡水のうち世界でもっとも利用されているのはどの種類ですか。

資料のグラフの中から、一つ選びなさい」という問題です。

参考資料は、世界の淡水の分布をあらわした円グラフで、「雪・氷70%、河川・湖沼など0・4%、地下水29・1%」となっています。

 

一番目に付くのは「雪・氷」なのですが、これは間違いです。

少し考えれば、「雪は使わないよね」と気づくでしょう。次に目に付くのが「地下水」なのですが、「地下水が答だ」と考えるお子様が、一番多かったのがショックでした。

しかし、正解はグラフの中では0・4%しかない「河川・湖沼」です。(正解率30%)

 

出題者は、この問題の中で目先の数字にまどわされることなく、「河川と地下水と、どちらが利用しやすいか」自分の頭で考えることができるかどうか、を試そうとしています。

みなさんも、(中学受験をする・しないは別として)自分のお子様が小学校6年生になったとき「うちの子なら、何と答えるだろう?」と、ちょっと想像してみてください。

 

(次回に続く)

 

 

2008/8/1

 

<どんぐり流 脳を活かす12歳までの学習法(その6)>

 

「うちの子は、集中力がありません。ちょっと難しい文章題は、見ただけで考えることを拒否します。このままでいいのか、とても心配です」

 

「国語の読解力がありません。塾に通っていますがテストは毎回、ひどい点数です。長時間勉強しているのに、身に付いていないような気がします。このまま塾に行かせていて、よいのでしょうか」

 

最近、私たちどんぐり教育研究会に寄せられるご質問に、上記の内容のものが目立つようになりました。

 

「集中力がない」、「文章題を考える力がない」、そして「国語の読解ができない」というのは、親御さんたちの抱える「子育てと教育に関する悩み事」ベスト3を占めているようです。

 

これらのお悩み一つ一つに対し、的確にお答えするのは大変難しいことです。本来であれば、それぞれのご家庭を訪問して、実際にお子様とお話をし、いろいろな質問をさせていただき、その受け答えを観察しながらでなければ、本当のことはわかりません。

 

しかし、到底それは無理なことです。

そこで私(カニ先生)は、「あくまでも一般論ですが」という前提のもと、これらのご質問に対し、メールやお電話でお答えさせていただいております。

 

ここで親御さんたちに知っていただきたいことは、「集中力がない」、「考える力がない」、「国語の読解ができない」というのは、いまや小学生の子供だけの問題ではない、ということです。

 

最近「小学生の間でも、読書感想文のコピペがはじまった」という記事が話題になりましたが、既に大学生の間ではすでに「インターネットからコピー&ペーストして、レポートをつくる」というのが、常態化しているのだそうです。

 

学生たちの「面倒なことはしたくない!」という意識は、私たちの学生時代よりも強くなっているような気がします。

 

前回のブログでも書きましたが、現代は何でもインスタントの時代です。お湯をいれて3分待てば食事ができ、24時間コンビニで買い物ができる。インターネットやゲームで遊び、気に入らなければいつでもリセットボタンが押せる。そんな生活に生まれたときから慣れ親しんでいるのが、今の小学生や若者たちです。

 

私(カニ先生)は、そういった子供や若者たちを取り巻く環境の変化を無視して、様々な教育問題を語ることはできない、とそう考えています。

 

環境が変わったのだ、ということを前提として、「では、教育者として親として、何ができるのか」ということを考えていかなければならない、そんな時代だと思います。

 

もしもお子様に、「時間や手間がかかること」、「面倒くさいこと」、「努力や我慢を強いられ、すぐに結果が出ないこと」が苦痛で、それを避けよう、避けようとしてしまう傾向が見られるのであれば、それはただ「生活習慣ができていないのね」という問題ではありません。

 

日ごろから、「面倒くさいこと、自分で考えることを嫌がる」お子様が、どんぐりの文章題の学年相当を「楽しく自分で絵をかいて、すらすら解いてしまう」ことは、まずない、といっても過言ではないでしょう。

 

どんぐりの文章題には、「読みにくく、まわりくどい表現」や「計算するのがとても大変な大きな数字」がどんどん出てきます。それを「習っていないもん」、「難しいもん」と拒絶するお子様は、単に「算数が苦手」というだけではないのです。

 

(次回に続く)

 

 

2008/8/18

 

<どんぐり流 脳を活かす12歳までの学習法(その7)>

 

最近ファックス添削をスタートされたお子様のお母さまから、次のようなご質問をいただきました。

 

「小学校2年生ですが、年長さんの問題が、全くできません」

「ヒントをあたえてはいけません、とありますが、本当に何もわからないようで、とまどいます。どうしたらよいのでしょうか」

 

私(カニ先生)も経験があるのですが、目の前で小学生(特に低学年の)子供に「わからなーい」、「難しいから、したくなーい」と言われたときの対応は、本当に難しいものです。

 

こういう場合、決してしかってはいけません。重要なことは、「わからなーい」を連発している、目の前の子供が発している緊急メッセージの内容を、きちんと解読してあげることです。

 

「うちの子は、大丈夫かしら」と、不安になってもいけません。親御さんが不安になると、子供はもっとストレスを感じます。ですから、難しいとは思いますが、あくまでも冷静に、落ち着いて、子供を観察してみることが重要なのです。

 

一般的には、どんぐりの文章題に取り組む上で、子供がいう「わからなーい」には、

 

(1)使われている言葉の意味が、わからない

(2)文章の意味が、わからない

(3)何をきかれているのか、わからない

(4)絵図をかいてごらん、と言われても、描き方がわからない

などの意味があります。

 

どんぐりでは、4行ほどの文章を読み、絵図をかくのですが、最初から一度読んで「こういうことね」と理解して、楽しそうに絵図をかきはじめるお子様は、そう多くはありません。

 

ですから、小学校2年生で、どんぐりの年長さんの問題ができなくても、「うちの子は大丈夫かしら…」と親御さんが、不安になる必要は全くありません。

 

どのお子様にもいえることですが、文章題を考えることができないのではなく、「考える方法を教えてもらっていない」だけなのです。

 

「1文ずつ読んでみようね」と声をかけ、1文ずつじっくり、ゆっくり、楽しんで絵図をかいていくと、時間の差はありますが、どのお子様も100%考える力がついてきます。

 

話は変わりますが、私が学生の頃、中学生の家庭教師をしていたとき、私は、非常に重要なことを学びました。

どんなに学校の勉強が遅れている子でも、(当時その子の学校のテストの成績は、毎回10点くらいだったと思います)勉強するべき内容を小さく分解し、その子のイメージできる言葉におきかえ、一つ一つをじっくり、ゆっくり、紙にかいて確認しながら進めていくと、少しずつですが理解し、考えるようになる、ということです。

 

どんぐりをする上で、親御さんたちが一番とまどわれるのが、「教えてはいけません」、「ヒントを出してはいけません」の部分ではないかと思います。

 

しかし、「言葉の意味は、その子のイメージしやすい言葉におきかえて教える」ことができますし、「1行ずつかいてごらん」は、もともとヒントではないのです。

 

さらに、そのときに子供が問題に正解できることは、あまり重要ではありません。

 

答えが出ても、出なくても、どんぐりの文章題を通して「難しいと思えても、小さく分解(1行ずつ)して、絵図にかいていくといいんだ」と実感することが、子供にとっては大きな自信となるのです。

 

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