考える力は生きる力 考え抜く頭脳を育てたい

コラム<4>


2007/10/29

 

<中学生になって、「数学嫌い」になるのは何故? その1>

 

先日、ベストセラーになっている「最短で結果が出る超勉強法」という本を読みました。

 

この本を書いた荘司雅彦さんという方は、東大文1、司法試験に2年以内に合格し、さらに自分で指導して、お嬢さんを「女子御三家」に合格させたという、勉強法のカリスマです。

 

その中に、大変興味深いことが書かれていましたので、ここに抜粋させていただきます。

 

「実は昔の私は、すべての知は役に立つ、とは全く思っていませんでした。しかし、社会人になり、私の経験は一変しました。これまで机上で学習してきたすべての知が役に立つ、と気づいたのです」

 

「特に数学については、社会でもっとも無意味なものだなどと、不遜なことを考えていたのですが、それがひっくり返りました。金融論や経済学の分野で頻繁に数式が使われるのは当然として、法律学でも、ミクロ経済学の知識(数学の知識)が必要です。わが国の法解釈学でも、数学的な論理力が必要とされます。」

 

私(カニ先生)は、金融論や経済学は分かりません。しかし、これからの時代を生きる子供たちは、文系の

学問をするにしても、専門的に極めるには、数学的なセンスや理解力が必要だ、ということなのです。

 

とはいえ、算数が「数学」になる中学生になると、「テストのたびに、数学が足をひっぱる」「時間をかけて勉強しても、関数や方程式が、全然分からない」という状態に陥る子供が、決して少なくはないような気がします。

 

教育関係者の間には、「七五三」という言葉があります。これは学校での「授業が分かる度合い」が、小学生で7割、中学生で5割、高校生で3割にとどまる、ということを、子供の行事から皮肉って?表現している言葉です。

 

そして、中学生の「授業が分からない」の多くは、数学である場合も多いのですね。

 

では何故、多くの子供たちが中学に入って「数学の授業が分からなく」なってしまうのでしょうか?

 

保護者のみなさんは、何故だと思われますか?

 

私(カニ先生)は、算数、数学という学問が、階段を積み重ねていくように、一歩ずつ段階的に学んでいくものであるにもかかわらず、多くの子供たちが、学校で習ったことを、「解き方を覚えて、表面的に問題をこなし」、「本質的なことを、しっかり理解しないまま進級・進学していく」ことに原因があるのではないかと思います。

 

たとえば中学に入って習う「1次関数」ですが、これは中学生の参考書によれば「yがxの1次式で表されるとき、yはxの1次関数であり、y=ax  + b の式で表される」と説明されています。

 

さらに、1次関数の変化の割合は、一定でxの係数に等しい、(試験に出る!)とかかれていますが、これだけ見ても「何のことやら」さっぱり分かりません。

 

しかし、このy=ax というのは、どんぐりの文章題を小学生のうちにしっかり取り組んでいたお子様は、難なく理解することが出来るのです。(次回に続く)

 

 

2007/11/6

 

<中学生になって、「数学嫌い」になるのは何故? その2>

 

実はどんぐりの問題には、本当にいろいろな仕掛けがあるのです。

年長さんコースだから、足し算ばかり出てくる、と思っていると、大間違いです。

 

ここで年長さんコースから、一つの問題(0MX06)を見てみましょう。

 

「たいようさんと、かみなりさんがかけっこをしました。たいようさんは、1にちに、ちきゅうを1しゅうしか

できませんが、かみなりさんは1にちに ちきゅうを6しゅうもまわることができます。

では、たいようさんがちきゅうを3しゅうしたときに、かみなりさんはちきゅうをなんしゅうしているでしょう」

 

まず、太陽と雷がかけっこをする、という設定が、子供のイメージ力をかきたてますね。

大人が読んでも、楽しいです。ほのぼのとした気持ちになります。

 

文章にあるように、絵にかいてみると、簡単に答えは見えてきます。

ここで、子供たちは楽しく、それぞれのイメージした「たいようさん」と「かみなりさん」を書いてくれます。

 

そして、重要なことは、この絵を自分の頭でイメージしながら書くことで、子供たちは、

「太陽とかみなり、1:6」という「比」の関係を、じっくりと感じることができるのです。

 

そして「太陽が3倍になると、かみなりも3倍になる」というのは、「比例」の関係ですが、これこそが、

中学生になると、xとyを使った式として登場することになる、「関数」なのですね。

 

この場合は、y=3xという式になるのですが、この「3」がいわゆる比例定数であり、変化の割合でもあるのです。

 

このように見てくると、前回のコラムに書いた「1次関数の変化の割合は一定で、xの係数に等しい(試験に出る!)」という参考書の説明を見ても、子供たちは、「あたりまえじゃん」と理解がたやすいのです。

 

そもそも1次関数とは何なのか、このように絵や図をかいて、「本質」から見ていくと、中学校の数学もラクラク理解できるのです。しかし、通常の中学校の授業では、そこまで時間をかけて、しっかりとは教えてはくれません。

 

先生によって違うのかもしれませんが、少なくとも私(カニ先生)の記憶の中では、中学校の数学の授業は、「公式を説明し、基本問題を解き、応用問題にうつっていく」作業の繰り返しであったように思います。

 

これでは勉強がつまらなくなるのは、仕方の無いことかも知れませんね。

 

 

2007/11/17

 

<「目で考える」って、どういうこと?~視考力で、こんなに分かる方程式!>

 

10月にどんぐり学習相談会を開催しましたが、ご参加の皆様から、たくさんのご質問をいただきました。その際、多かったご質問は、(中学受験関連を除けば)以下の2点です。

 

(1)目で考えるって、どういうことですか?

 

(2)うちの子も、続けていけばタカヒロ君みたいに、視考力を使えるようになりますか?

 

タカヒロ君がどんな絵をかく子なあのかは、是非このホームページからリンクしている「百ますからどんぐりへ」のページをご確認ください。

 

どんぐりっ子のタカヒロ君が、「だって、見えるじゃん。お父さん見えないの?」と語っているページをみて、私(カニ先生)は、「うーん。なるほど」と感動しました。

 

ちなみにタカヒロ君は、中学生でも難しいような連立方程式の問題に、ラクラク取り組んでいます。しかも、サッカーや友達との外遊びを、十分に楽しみながら!です。

 

ここで重要なことは、「タカヒロ君が特別だから、出来るようになった」のではなく、どんぐり方式では、「誰もが同じように、出来るようになる」(視考力を使えるようになる)ということです。

 

では何故どんぐり方式ならば、誰もが無理なく視考力を使えるようになるのでしょうか。

ここで先日の学習相談会で、参加者の皆様と一緒に「お絵かき」してみた問題を、2つご紹介しましょう。

(紙と鉛筆をご用意ください)

 

■今ある飴を8人で同じ数ずつ分けると、1人分が丁度6個になります。この飴に何個か加えて10人で7個ずつ分けようと思います。あと何個飴があればいいでしょうか。(3MX68)

 

さあ、文章のとおりに絵をかいてみましょう。そして、ポイントとなる箇所(8人と10人の間)に、縦線をひいてみます。

すると、あと何個飴が必要かは、絵図の中にあらわれているではないですか!

答えは絵図の中にある、というのを目で確認したら、式を作りましょう。そうすれば、無意味に数字をいじって、余計に分からなくなる!ことはありません。

 

■ケーキ6個と150円のプリン1個を買ったときの代金は、同じケーキ1個と80円のシュークリーム1個を買ったときの代金の5倍になりました。このケーキ1個の値段はいくらでしょう。(6MX16)

 

中学生であれば、「分からないものをxとおき」方程式で解く問題です。

しかし、これも文章のとおりに絵をかくと、あら不思議!答えが見えてしまうのです。

 

どんぐりでは、子供が書いた絵に対し、「同じところ」「違うところ」が目で確認できるよう、絵図に線をひいたり、同じものをワクでかこったりして、子供たちが「目で、いろいろなことに気がつくように」指導していきます。

 

糸山先生の添削をよーく見ると、それが分かります。説明するのではなく、見せるだけです。子供が、自分で気付くまで、待つことがポイントです。もちろん、カニ先生の添削も、そうしています。

 

一生懸命絵図をかき、「やったあ」と満足したあとで、「目でいろいろなことに気づく」!

そんな取り組みを続けていくと、子供たちは自然に、この問題を見ても「あれ、ケーキ5個は消せるよね。同じだから」と、目で考えるようになります。

 

ケーキ5個を消して、残ったケーキ1個と150円のプリンを足した代金が、80円のシュークリーム5個分の400円となり、答えが見えてくるのです。

 

ちなみに、方程式を使うとこうなりますね。

ケーキをxとおくと、6x+150=5(x+80)  答え 250円

 

このように、視考力を使うと、中学生で習う方程式も、「バランス算」という深いところから理解できるようになります。

そうすれば、中学で習う数学の勉強が楽しくなるような気がしませんか?

 

 

2007/12/6

 

<教育とは、人生を楽しむことができる力を育てること(その1)>

 

昨日、あるお母さまと30分以上電話でお話をする機会がありました。

 

主に、「どんぐりの文章題に家庭で取り組む方法」についてお話していたのですが、話が意外な方向にどんどん発展していきました。私(カニ先生)も「なるほど!」と思うことが多かったので、ここにご紹介させていただきます。

 

電話の途中で、私が、「どんぐりの文章題は、一つの問題でも、いろいろなとき方が出来るんです。子供たちは、見たことがない問題でも、工夫して絵図をかきながら、一生懸命考えます。添削を受けているお子さんの中には、3日かけて考えました、3日がかりで絵を仕上げました、というお子さんもいらっしゃいます。

それが子供たちの自信につながるのですね」というような内容のことをお話したときに、そのお母さまが、「それって、人生にも大事なことではないですか!」とおっしゃったのです。

 

私は、その瞬間、どんぐり倶楽部の考え方に興味を持つきっかけとなった、糸山先生の著書「絶対学力」の中にある文章を、思い出しました。多少長くなりますが、ここに引用させていただきます。

 

「教育界では生きる力という言葉が流行しています。しかし、どうもぴんとこない。生き抜く力と言ってみると、分かりやすいかもしれません。つまり、世界中どこにいても、生き抜くことができる力のことを、生きる力と言うのです」

 

「日本は今まで海と言葉に守られてきました。でも、これからは守ってくれません。そんなときに、一体何が自分を守ってくれるのでしょう。それは自分しかいません。いつまでも親がいるわけではありません。いつでもどこでも、一緒にいるのは、自分だけなのです」

 

「では、どうしたら自分で自分を守れるのでしょう。何が力になるのでしょう。それは、自分を信じる力があるかどうかにかかっています。自分を信じることを、自信といいます」

 

数年前までは、(私はなぜか「絶対学力」を初版で持っていたのですが)私はこの文章を読んで「なるほど」とは思いましたが、その意味するところがあまりピンとはきませんでした。

 

しかし今では、「何故子供たちにとって一番大事なことが自信なのか」そして、「何故これからの子供たちにとって必要な学習が、どんぐりの良質の算数の文章題なのか」ファックス添削を通して子供たちの変化をじっくりと見ているうちに、よく理解できるようになってきました。

 

少し話はかわりますが、今日本と世界には、グローバル化した経済、新自由主義、情報化社会の到来など、とんでもない変化の波が押しよせています。

 

これまでは、学校を出て就職して、その会社にずっと勤めるというのが、多くの人が考える人生のビジョンでした。生徒や学生は余計なことを考えず、とりあえずまじめに勉強しておけばよかったのです。

 

しかし、今は大学や高校を卒業したあと、新卒で就職して一つの会社に3年間勤務する人は、統計上でも4割をきっているといいます。つまり「普通のサラリーマン人生」というものが大変な勢いで縮小され、これから社会に出る子供たちは、今までにない働き方や、自分らしい仕事のスタイルを模索し、見つけていかなければならない時代に向かって歩んでいるのです。 (次回に続く)

 

 

2007/12/22

 

<教育とは人生を楽しむことができる力を育てること(その2)>

 

12月15日の学習相談会(東京会場)は、お知らせ期間が短かったのですが、約40名のみなさんにご参加いただきました。本当にありがとうございました。

 

当日は、1時間半という限られた時間の中で、「良質の算数の文章題の自宅における学習法」、「中学受験について」など、いろいろなご質問やご意見をいただきました。ここで簡単にご報告させていただきます。

 

まず、「良質の算数の文章題」に取り組む上で、特にスタート直後のお母さんたちが悩まれているのは、以下のような点でした。

 

「うちの子は難しい問題に、じっくり取り組む姿勢がなかなか見えない。すぐに考えることをやめてしまう。」

「自分で決めてね、というと、やさしい問題ばかりを選ぶ。これでいいのでしょうか」

 

これに対する私(カニ先生)の意見は、こうです。

「最初から100%できる子はいません。(大人もそうですが・・・・)小さな一歩からスタートとして、出来たことをほめてあげる。そうして、小さな成功体験を積み重ねていくことが大切ではないでしょうか」

 

「自分で考え、自分で判断できる大人になるために、小さなことですが、どんぐり問題を自分で選ぶことも、大切な一歩だと思います」

 

私(カニ先生)が、これまで幼児から中学生まで、様々な年齢の生徒を見て感じたことは、勉強にしろ英会話にしろ、「自分の意思で楽しく、主体的に取り組んでいる子は伸びる」ということです。

 

たとえば英会話をとってみると、何となく親に連れられてレッスンにきている子と、「将来海外でお菓子の勉強をしたいから、英語頑張る」と主体的に取り組んでいる子とでは、あきらかに吸収力が違います。

 

大人もそうですが、「させられている」仕事は楽しくなく、成果も出しにくいものです。反対に、自分から率先して取り組んでいることは、時間を忘れるほど熱中します。

 

では、どうすれば子供たちが、「させられている」のではなく、自分からどんぐり問題に取り組み、見たことのない問題でも、楽しくじっくりと考えることができるようになるのでしょうか。

 

私は子供が主体的に、意欲を持っていきいきと物事(どんぐりもふくむ)に取り組むようになるためには、遠くの「夢」と足元の「小さな成功体験」、この二つが必要ではないか、と考えています。

 

子供にとって重要なのは、「分かった。そうだったのか」という小さな成功体験です。

大人もそうですが、「出来るかな」と不安だったことにチャレンジし、自分の力で成し遂げたときの喜びは、たとえようもなく大きいものです。

 

どんぐりの問題は、見たこともない大きな数や、まわりくどい設定がどんどん出てきますが、それを「自分の力で絵図をかくことができた!」「頑張って、長い時間考えた!」と子供が感じとったときの喜びと自信が、その子の本当の力になっていくのです。

 

反対に、「こう解くのよ」と教えられたことは、多くの場合すぐに忘れてしまうものです。

また、「自分で出来た」という自信にもなりません。

 

私は、お子様がどんぐりに取り組むにあたり、最初は「やさしい問題ばかり選んでしまう」「じっくり考えることができない」としても、全く問題はないと思います。たとえやさしい問題だとしても、お子様がオリジナルの絵図をかき、小さな成功体験を積み重ねているのですから、それはとてもとても大切な一歩ではないでしょうか。

 

(次回に続く)

 

 

2008/1/6

 

<教育とは人生を楽しむことができる力を育てること(その3)>

 

あけましておめでとうございます。昨年は、いろいろとありがとうございました。

今年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

 

新しい年のスタートにあたり、昨年の学習相談会でご要望があった、「学年ごとに読みたい名作・推薦図書リスト」を、どんぐり教育研究会コンテンツにアップしました。是非この冬は、親子で名作を楽しんでみてください。

 

得意・不得意がはっきり分かれる歴史や、理科の勉強に役立つ、「学習マンガ」もいくつかご紹介しています。

なかなか「興味がもてなくて、頭に入らないよ」というお子様は、是非本屋さんで手にとってみてください。

 

さて、マンガといえば、「お受験の星」という大変面白いマンガがあるのをご存知でしょうか。(雑誌「ビッグコミック スペリオール」(小学館)に連載されていて、ちょうど第1巻が出たところです)

 

これは、マンガとはいえ、なかなか内容が深くて、「いろいろと内情を知っている人に詳しく取材して書いているなー」という優れものです。

 

一部分だけをご紹介すると、たとえば…

「なぜ大手塾が山のように問題テキストや宿題をやらせると思いますか。それは、生徒を思ってのことでなく、パンフレットに予想問題的中と書く売り文句のためなんですよ」

 

「そもそもそんなにたくさん解くことに、意味があるのでしょうか・・・」という、せりふがあったりします。

 

そして、基本的な問題をしっかりおさえれば、あとはその組み合わせでどんな問題にも対処できるとしています。

 

そして注目すべきことは、このマンガの中に出てくる個人塾の先生(主人公を指導する迷える子羊塾の先生)も、算数の文章題を教えるときに、絵図をかいて説明していることです。

 

よく、お母さんたちから受ける質問に、以下のようなものがあります。

「先生、絵図をかくやりかたは、時間がかかりますよね。中学受験の本番では、使えないのではないでしょうか?

だから、式で解く方法を覚えないといけないのではないですか?」

 

しかし、本当は逆です。

 

実際に自分で中学受験の問題を解いてみるとよく分かるのですが、文章をイメージ化し、絵図にすると、「問題の本質」が理解できます。そこで方向性を確認したうえで、式をたてると、見当違いなことをして時間を無駄にするリスクを回避できるのです。

 

ですから、年長さんの時期から「一度しか読まない覚悟で」、「文章を絵図にする」練習をずっとしてきたどんぐりっこが、中学受験に強いのは当たり前なのですね。

 

私たちどんぐり教育研究会は、子供たちが自分に自信をもち、人生をたくましく拓いていけるよう、子育て中のお父さん、お母さんたちに役立つ情報を、今後もお伝えしていきたいと思います。

 

(次回に続く)

 

 

2008/1/23

 

<教育とは人生を楽しむことができる力を育てること(その4)>

 

最近、何人かのお母さまから、同じようなコメントをいただきました。

 

「先生、うちの子は、答えがあっているかどうかを、非常に気にします。どんぐりに取り組みながら、何度も答えはあっている?と私(お母さま)に質問してきます」

 

「難しそうな問題は、出来るだけ避けようとします。どうしたらいいのでしょうか」

 

たくさんの子供たちを見ているとつくづく感じるのですが、子供というものは大人が思っている以上にナイーブで、傷つくことをおそれる面を持っています。

 

「自分に自信がない・苦手なことはしたくない」という思考になりがちなお子様に対しては、「出来ないかな?と思ったけれど、やってみたら意外とできた!」という成功体験を、少しずつ積み重ねていくのが一番です。

 

また、「答えがあっているか」を過度に気にされるお子様に対しては、「答えは重要ではないんだよ。一生懸命考え続けていられることが、すごいことなんだよ」と、何度も繰り返し伝えてあげましょう。

 

この「答えは重要ではありません」というのは、糸山先生がよく使われるキーワードの一つです。しかし、多くの保護者の方は、「何でかな?」と不思議に思われるのではないでしょうか。

 

実は、私(カニ先生)もそう思っていました。しかし、子供たちの添削を通して、数多くの絵図や、子供たちの変化を見ていくうちに、その意味がだんだん分かってきたような気がします。

 

どんぐりでは、「まだ割り算を習っていないのに、この学年でこれをどう解くのだろう」と大人が思うような、面白い問題がどんどんでてきます。

 

たとえば、1MX67

「バッタのピョンピョン、バサバサ、パタパタの3人が105円のサイダーを買うのにお金を出し合いましたが、みんなで81円にしかなりませんでした。足りない分は3人のお母さんが出してくれることになりました。お母さんは、1人何円を出すことになりますか」という問題があります。

 

子供たちは、まず足りない分24円を、どうやって3人で分けるか考えます。大人は24÷3=8で簡単に答えを出してしまうのですが、子供たちはそれぞれオリジナルの工夫をしていきます。

 

たとえば、24個の1円玉をかいて、それをひたすら3つのグループに分けていったり、「あーでもない、こーでもない」と頭をぐりぐり回転させるのです。

 

この「具体的に悩む」ことが、思考回路を作るためには、何よりも大切なことなのですが、もう一つ忘れてはいけないことがあります。それは「習っていない問題でも、工夫すれば出来るんだ!」という自信を、子供が身につけていくことです。

 

「人生に解決法なんてない、ただ進んでいくエネルギーがあるだけだ」というのは、星の王子様の著者であるサン=テグジュペリの言葉です。私(カニ先生)は、この言葉を知ったときに、「なるほどね」と大変感銘を受けました。

 

実際、学校教育を終え、社会に出てみると、何の仕事をするにしろ、誰もつきっきりで面倒をみてくれるわけではありません。

 

「営業で成果をあげる方法は何ですか。この3つの中から正解を選びなさい」なんていう、仕事はないのです。

営業を例にとってみると、新規であれば、どこにお客さんがいるかを考え、どんなふうにアプローチをするか、どんな資料を持っていくか、何を話すか、どこでクロージングにもっていくか、すべて自分で工夫しながらやっていくしかありません。

 

つまり人生にとって大切なことは、つぎつぎにふってくる人生の課題に対して、「あーでもない、こーでもない」と頭をぐりぐり回転させながら、突き進んでいくエネルギーだ!ともいえるのではないでしょうか。

 

 

2008/2/4

 

<教育とは人生を楽しむことができる力を育てること(その5)>

 

今日アマゾンから、糸山先生の新刊のお知らせメールが届きました。

アエラキッズブックより、「描いて育てる考える力 ~絵で解く算数」という本が2月7日に発売されます。

 

この「絵図で解く」という糸山メソッドですが、最近急速にいろいろな方面に広がりつつあります。ミカリンさんのブログからは、全国のどんぐりさんを検索できます。是非一度、のぞいてみてください。

 

さて、話は変わって東京で第一回の学習相談会を開催したとき、数人のお母さまから、以下のようなコメントをいただきました。

 

「今までこんな問題を、週に1問やったからって、何になるの?と思っていましたが、やっと意味が分かりました!」

 

「時間をかけて絵図をかく」、「週に1問か2問で十分」というどんぐり方式の学習方法は、塾や学校で行われているそれとはかなり異なるため、多くのお母さまが最初はかなり戸惑われるようです。

 

私(カニ先生)が最初に知人のお母さまにどんぐりのことをお話したとき、「先生、うちの子はもう小学生です。お絵かきなんかしている時間はありません」と、きっぱり言われたことがあります。

確かに多くのお母さまが、そうお感じになられるかな?と思います。

 

実は、私は、初めて糸山先生の「絶対学力」を読んだときから、お絵かきとは思っていませんでした。

それは、私が以前から、あることを知り、実践していたからです。

 

2002年に、「図で考える人は仕事ができる」(久恒啓一)という本が日本経済新聞社から刊行され、「図解思考」という言葉が、社会人の間では大きなブームになりました。

 

「図にして考えると物事の構造や関係がはっきり分かり、思考力や解決力もアップ」というこの「図解思考」の考え方は、多くの人たちに支持され、今でも多くのビジネス書に「図解」というキャッチフレーズが使われています。

 

私はこの理論を知り、多少自分でも「困ったときに図をかいて考える」ということを実践していたため、どんぐり方式を見て、「なるほどね」とすんなり理解できたような気がします。「図解」は、本を読んだり、文章をかくときにも役にたつので、ビジネスマンの間ではよく、「図を使って構想力や解決力をみがく」研修が行われています。

 

ご興味のある方は、是非この本を手にとって読まれてみてください。日本経済新聞社から文庫本が出ています。(価格は667円です)

 

「図解をすると、記憶したり、頭の中で思い描いたりといった労力なしに、リラックスしてイマジネーションを広げていくことができる」と、糸山先生と同じような理論が、きちんと説明されています。

 

また、何よりも一番重要なポイントは、「絵図をかくと、それが頭にいつまでも残る」ということです。

先日あるお母さまから、「うちの子は、一度解いたどんぐり問題、どんな絵をかいたか、全部覚えています。オリジナルのテキストができていくんですね。すごいです!」というご報告をいただきました。

 

私も小学生のうちに、どんぐりをしておきたかったです。(涙)

PAGETOP
Copyright © どんぐり教育研究会 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.